2024年3月1日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1361.12で終わりました。一週間前に比べ49.97(-0.56%)の大幅反発でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.11%)やSP500(前週末比+0.95%)に比べてもかなり大きな上昇でした。
今週の米国株式市場は、今後のFRBの動きに影響を与える2月29日発表の1月のPCE(個人消費支出)を睨み、前半は小動きでした。PCEが12月の数字より鈍化したこと、さらに3月1日発表のISMによる2月の製造業景況指数が1月も弱かったことから、「
利下げ期待」が高まりました。これにより、週の後半にかけては、国債金利も低下し株式市場は堅調となりました。一方、相変わらずAI関連株は堅調でした。
一週間前が、小型成長株だけがマイナスで相対的に大幅負けであった反動もあり、今週は小型成長株が相対的にも絶対的にもかなり堅調な一週間でした。
<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
小型成長株の主力株に対する相対的な負けが始まって、3年近くになります。
特にこの2年間は、長期的なトレンドから見ても、大幅に割安な水準が続いています。
この1年半、主力インデックスは上昇し最高値更新になっていますが、小型成長株はまだまだ上昇率が鈍く、歴史的高値からはかなり下の水準にあります。
(下記のラッセル2000グロース÷SP500も参照ください)
景気は底堅い、しかし、インフレは落ち着く、というのは小型成長株にとっては最高の投資環境にあります。外部材料が悪化しなければ、小型成長株の逆襲相場が来ると期待しています。
<外部材料>
米国国内の環境は良いのですが、「米国の外の材料」は、懸念材料が山積しています。
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
今週も大きな変化はなく、ウクライナではロシア軍の侵攻が進み、ガザではイスラエルの攻撃が継続しています。
米国は、大統領選挙も絡み、なかなか思い切った手が打ちにくくなっています。
(ウクライナ支援は共和党強硬派が支援を反対。一方イスラエルは、民主党リベラル派がパレスチナ支援を訴える。)
このため、ウクライナに対して欧州各国が2カ国間での支援協議を進めています。しかし、欧州も6月に欧州議会選挙があり、これから政治の季節を迎えます。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年3月1日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1361.12/5137.08=26.50%、
26週移動平均との乖離は+0.60%でした。
2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から27%~28%程度で「底値での横這い」という感じでしたが、2023年9月にはいり、さらにこのレンジを下に突き抜け、ついに2023年11月上旬には25%割れまで下落しました。FRBの利下げ期待が出てきたことから下げ止まっていますが、まだまだ異常に低い水準にあります。
小型成長株の本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。(外部材料が落ち着いてくれることを、願いながら)
→ 2020年9月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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