アメリカ成長株：2023年10月末　投資信託のリターン比較

2023年9月末での、日本で利用できる米国小型成長株に投資する投資信託のパフォーマンス比較をしました。

要点は以下の通りです。
１）2023年10月の米国株式は、CPIが予想より高い伸びを示したとから、金融引き締めの継続への懸念が強くなり、長期金利上昇を背景に厳しい動きとなりました。
特に小型成長株は、金利上昇の悪影響を主力インデックスより強くうけ、大幅下落となった一か月でした。

ベンチマークとなるラッセル2000グロースは、円建て-9.29%、ドル建て-7.71%となっています。（円建ては、対象投資信託と同じく、前日の米国終値を月末の為替で評価して計算）

２）ラッセル2000グロースおよびラッセル2000をベンチマークとする投資信託は以下の3つです。SBI：ＳＢＩ米国小型成長株ファンド（グレートスモール）
BR：ブラックロック米国小型成長株式オープンＡコース（為替ヘッジなし）
SMDS：三井住友DS－米国小型ハイクオリティファンド（資産成長型）

3）最近の動き
2023年10月は、SBI、ブラックロック、SMDSの順でした。

(円建てリターン) 2023年10月末

R2000G:ラッセル2000グロース：ベンチマークです。

4）中長期的なパフォーマンス　(過去3年・5年)
過去3年トラックレコードでは、SMDSがかなりアウトパフォームをしています。
5年については、SBIのファンドだけがまだ5年のトラックレコードはまだ出ていません。参考となる米国内のファンドのリターンはかなり良好で、対ベンチマークで8％近いアウトパフォームをしています。
(注)手数料体系が国内籍ファンドと米国籍ファンドでは異なります。また、為替の影響もあるため、あくまで「長期的な傾向をつかむ」ための参考情報として見てください。

５）米国小型成長株ファンド　VS　SP500
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年以来32％～38％の持ち合いが継続していましたが、2021年2月末では41％近くまで急上昇しました。しかし、3月以降は一貫して「負け」ています。2022年７月以降下落が止まりましたが、SVB破綻以降、再び経営基盤の（相対的に）脆弱な小型成長株は主力インデックスに割り負けしており、歴史的な割安水準となっています。

また、長期的な視点でみれば、（この2年間は小型成長株全体が主要インデックスに大負けしていますが）、アクティブ運用のファンドの中には検討しているものがあります。

SBI米国小型成長株と同じ戦略であるドリーハウスの米国小型成長株は、この2年間の大負けにも拘わらず、過去10年ではSP500に対して、ほぼ同水準のリターンを出しています。
(参考情報：ドル建てリターン)　2023年10月末

現在の小型成長株の水準は全体として非常に魅力的な買い場を提供しています。SP500のインデックスファンドからの乗り換えを行うタイミングとも言えます。

SBI-DH: Driehaus US Small Cap Growth Investor Class (DVSMX)
（SBI米国小型成長株ファンドと同じファンドマネージャーが、同じ投資戦略で運用しているファンドです。）

VSP500 ： Vanguard 500 Index Fund Investor Shares (VFINX)
（ヴァンガード社が米国で運用しているSP500のインデックスファンドです。）

データソースはこちら
→　SBIの米国小型成長株(グレートスモール)を運用しているドリーハウス社のウェブサイト
→　ヴァンガード社のウェブサイト

（参考情報）
→　SP500　VS　ラッセル2000　この2年間
→　過去の投資信託リターンデータ