アメリカ成長企業

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アメリカ成長株市場の動き-2024-01-26

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アメリカ成長株

2024年1月26日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1256.28で終わりました。一週間前に比べ+19.35(+1.56%)の上昇でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+0.65%)やSP500(前週末比+1.06%)に比べてやや強い動きとなりました。

この数週間、小型成長株は相対的にかなり弱かったので、「相対的な負け」の一部を取り返した感じです。

今週は、「景気は堅調。インフレは落ち着いているが、利下げは大きくない。債券金利は落ち着き、景気の堅調を背景に株価は上昇」でした。
但し、先週までに主力株はかなり上昇しているため、上昇スピードは鈍くなっています。

<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
この数週間、景気の堅調→利下げスピード鈍化、を悪材料と解釈する小型成長株の「相対的な負け」が続いていました。

今週はさすがに「負けの一部を取り返す」動きとなりましたが、まだまだ小型成長株の水準は非常に安い状況です。(下記のラッセル2000グロース÷SP500も参照ください)

景気は底堅い、しかし、インフレは落ち着く、というのは小型成長株にとっては最高の投資環境にあります。外部材料が悪化しなければ、小型成長株の逆襲相場が来ると期待しています。

<外部材料>
「米国の外の材料」は悪化しています。
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ

全て悪化の一途をたどっています。最近中東について書くことが多かったのですが、今週はウクライナについて書きます。

<ウクライナのジレンマ>
善悪は別にして、投資をする場合、何が本当に起こっているのかを知ることが重要です。従来から書いていますが、日本のメディアと、私が中立的であると思っているブロガーやユーチューバーの見方には大きな乖離があります。

ウクライナの戦局は日々悪化しています。日本のメディアは、「戦線は膠着」と伝えていますが、戦況地図等を見ると明確に悪化しています。

さらに日本のメディアは「この状況を好転させるには、米国と欧州の援助予算の進展が必要。支援は現在滞っているが、いずれ再開される。ウクライナはそれまでの辛抱である」と言っています。
しかしながら、これは本質的な問題を(意識的に?)無視しています。

戦争をするには、人(兵隊)、物(武器)、金(ファイナンス)が必要です。通常の経済活動では、人を雇って物を購入すればよいので、「金」で多くの部分を解決できます。
しかしながら、大規模かつ長期間の戦争の場合はそうではありません。
武器を生産するには時間がかかりますし、兵隊はお金だけで解決できません。

現在、「武器」については、西側諸国が「ウクライナに送る対象となっている武器」の在庫が少なくなり、さらに、武器生産能力の増加が進まないため、「お金があっても、十分な武器をウクライナに送れない」という状況になっています。

そして最大の問題は「人」です。大規模かつ長期の戦いは、傭兵では対応できません。
ウクライナでは、もう数か月前から、「新規動員の問題」が起こっています。

ロシアの侵攻直後、「ロシアは許せん」という感じで多くのウクライナ人が志願兵となり、戦線に向かいました。しかし、この2年間で「多く」の兵士が戦闘不能となっています。一方で、さまざまな方法で「徴兵拒否」「国外逃亡」が起こっており、「新規の兵隊の補充」が十分にできていません。戦線の兵隊の減少と疲弊が限界に達しており、交代+補充のために「多くの」新規動員が必要となっています。

問題は、動員の必要性をウクライナ国民に説くための「理由付け」です。
ウクライナ政府は「戦争は勝ちつつある。もう勝利まで一息。だから大量動員が必要」と言いたいのです。しかし、実態は逆で「戦線が崩壊しそうだから、大量動員が必要」なのです。

ウクライナは、兵員のダメージ(=戦死者数や負傷者数)については一切情報発信していません。これは、「ダメージを明確にすることは、ロシアに勇気を与える。戦意高揚のためにウクライナは、ロシアに比べてやられていない!という情報を発信すべき」と考えているからです。
しかし、ウクライナ政府は「状況は非常に厳しい。もう兵隊が十分にいない。だから大量の新規の兵隊が必要である」と言わねばならない状況に追い込まれています。

「こんなに大きなダメージがあることを言ってしまったら、ウクライナ国民がもう駄目だ、と思うかもしれない。」
「反転攻勢など作戦の失敗も明確になってしまう。誰が責任を取るんだ。」
「さらに、西側諸国も、もうウクライナはだめだ、そろそろ手を引こう、と思うかもしれない。」

本当の事を言うと、戦意がさがる(かも)。でも本当の事を言わないと、大量動員できない。これがウクライナのジレンマです。

最近のウクライナは「戦略的防衛」などと言って、焦点をずらした主張を繰り返しています。しかし、このままではじり貧です。状況を好転させるためには、「現状はダメ」と言う非常があります。しかし、「現状はダメ」と言ってしまったら、状況はもっと悪化するかもしれない。ウクライナのジレンマは深刻です。

もう数か月前から「追加動員50万人」の話が出ては消えしています。そしてこの数か月、前線での兵隊不足もあって戦線の状況は悪化を続けています。

ウクライナ人の戦意は、ロシア人に比べて非常に高い、と言われてきました。しかし、ウクライナ政府が「大量動員を発表」し、その時「動員の必要性の背景としての、戦線の悪化と甚大なダメージ」を認めたとき、一体何が起きるのか。
その時、ウクライナ国民が奮い立つのか?それとも、もう駄目だと思うのか?
欧米の援助予算に関心が集まっていますが、本質的な問題は別のところにあると思っています。

<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年1月26日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1256.28/4890.97=25.69%
26週移動平均との乖離は-0.47%でした。

2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。

2022年7月から27%~28%程度で「底値での横這い」という感じでしたが、2023年9月にはいり、さらにこのレンジを下に突き抜け、ついに2023年11月上旬には25%割れまで下落しました。FRBの利下げ期待が出てきたことから下げ止まっていますが、まだまだ異常に低い水準にあります。

小型成長株の本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。(外部材料が落ち着いてくれることを、願いながら)

→ 2020年9月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)

(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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