2021年5月14日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1470.41で終わりました。一週間前に比べて、45.68ポイントの下落(-3.01%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-1.14%)やSP500(前週末比-1.39%)に比べてやや大きな下落となっています。
今週は、パイプラインへのサイバーテロの影響による燃料価格上昇懸念に加え、発表されたCPIが大幅上昇したことから、インフレ懸念が一気に高まり、金利高による株安となりました。金曜日に小売売上高が予想外に弱かったため、金利上昇が落ち着き反発しましたが、2週間前のこのコメントでも指摘したように、「景気回復というプラスと金利上昇というマイナス」の綱引きがしばらく続きそうです。
毎度のことですが、市場が荒れると小型成長株は相対的にも負けます。しかし、昨年の3月~4月もそうでしたが、相対的な負け相場が、小型成長株を仕入れる絶好のタイミングです。リーマンショックの時も同様です。
→ リーマンショック後の小型成長株のSP500への相対的リターンの推移
今回の2021年3月からの「主力インデックスに対する小型成長株の弱さ」は相当大規模であり、この反動が来た時には、かなり大きなリターンが得られます。但し、インフレ懸念は今後も続くため、回復には時間がかかりそうです。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2021年5月14日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1470.41/4173.85=35.23%
26週移動平均との乖離は-3.93%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。しかし、2020年12月中旬にこのレンジを上に離れました。7年間の持ち合いが終わり、今後数年にわたる長期的な小型成長株相場が続くと思っています。
しかし、2021年2月上旬には、43%まで急上昇しましたが、その後急上昇の反動で3月以降急落し、現時点では35%台まで下落しています。
リーマンショック時、コロナ時など市場が不安定の時には、小型成長株は「相対的に負ける」傾向がありますが、歴史的には魅力的な買い場でした。今回もしばらくは厳しい相場が続く可能性がありますが、長期的な買い場を提供していると思っています。
→ 2019年4月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2021年3月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
コメント