バイオ

感染症やテロなどの公衆衛生上の危機に対応する国策企業

オランダの遺伝子治療開発会社。治療が困難な遺伝子疾患のために、ウイルスを使った遺伝子治療を研究・開発。血友病の治療のためのエトラナコジーンデザパルボベック（AMT-061）が、臨床試験のフェーズ３にあり、かなり承認に近づいてきました。

医療機関と個人向けの遺伝子診断サービス会社です。利用者に①将来ガンなどの病気になる可能性、②出生前診断による胎児の流産や病気のリスク、③ガンの治療法や治療薬との適合性、といった情報を提供します。

同社の“テセタキセル”は乳がんを標的としており、イチイという植物から抽出された“タキサン”という天然化合物から作られる、低分子の抗ガン剤です。可溶性を高めることで、経口投与できる錠剤にすることに成功しました。

心房細動は脳梗塞の原因の約3割を占めているといわれています。同社の開発した“AtriClip”というクリップ状の器具で左心耳の根本を外側から挟んで閉鎖するため、心臓部での切除・止血・縫合の手間と時間がかからない分患者への負担も小さく、術後数日で退院することもできます。

主にガン治療のための抗体治療薬を研究・開発しており、ガン細胞の表面にだけ存在するタンパク質を標的にした抗体の端に化学療法に使われる抗ガン剤を連結させたものです。この抗体治療薬は“抗体-薬物複合体（ADC）”と呼ばれていて、ガン細胞に結合した後、中に侵入して抗ガン剤を放ちガン細胞だけを死滅させます。

DNAは遺伝情報を記録する情報分子であり細胞の核内に収納されています。ナテラ社は血液中に含まれる微量のDNA断片を検出・分析する技術を使って、治療後の残存ガン細胞チェック、臓器移植後のチェック、出産に関わるリスク回避のための情報提供等を行っています。

同社の開発するBDTX-189はフェーズ１の臨床実験がこれから始まる段階ですが、低分子薬とバイオ医薬品の“いいとこ取り”をした、理想的とも言えるガン治療薬であり、実用化に期待が高まります。