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アメリカ成長株: ツイスト・バイオサイエンス(Twist Bioscience) 新型コロナウイルスの検査・研究にも必要な合成DNAや各種ライブラリーを提供

アメリカ バイオ ヘルスケア・バイオ
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アメリカ成長株: ツイスト・バイオサイエンス(Twist Bioscience)の概要

ツイスト・バイオサイエンス
Twist Bioscience Corp
ティッカーコード:TWST
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/TWST

 最近、合成DNAの需要が世界中で急激に高まっています。これは、新型コロナウイルスをPCR検査で追うためにプライマーと呼ばれるDNA断片が大量に必要となっているためです。

DNAにはタンパク質の設計図が書かれていて、“塩基”と呼ばれるA、T、G、Cの4種類の分子の配列で表現されています。DNAは“文章”、塩基は“文字”と考えると分かりやすいかもしれません。

DNAは本来、生体内で作られるものですが、塩基を順番に結合させて目的の配列のDNAを人工的に化学合成することもできます。

PCRはゲノムのような長いDNAに含まれる特定の部分のDNAを増幅する技術で、標的とするDNAの塩基配列の始まりと終わりの数個~数十個の塩基を人工的に作り試料に入れてPCR装置にかけると挟まれた部分のDNAが増幅されます。

現在行われているPCR検査法はこれをウイルスの検出に応用したもので、ウイルスが持つ特徴的な配列を標的としたPCRを行うことでウイルスの有無を判定するものです。

ツイスト・バイオサイエンス社はコロナ騒動以前から、より安く、より早くDNAを合成する技術を開発していて、今回の新型コロナウイルスの世界的な流行による合成DNAの“特需”によって一気に注目度が上がったバイオ関連株のひとつとなりました。

同社が開発したDNA合成装置は、半導体に使うシリコンベース上に掘った微小な溝の中で化学合成するもので、使用する薬剤が最小限で済む、反応液の交換がスムース、一度に大量に別々の合成ができるなどの点で優れています。

2000年には一塩基あたり10ドルだったものが、2010年には1ドルに下がり、現在では7セントで提供できるようになり、これは業界トップクラスの安さです。

同社は合成DNAだけでなく、遺伝子、抗体、タンパク質、オリゴ糖のライブラリーを提供しています。

ライブラリーという言葉は、日本語の“図書館”という意味から想像できるように、あるテーマで集められた物質群であり、研究者はライブラリーのバリエーションの中から効率よく目的のDNAや物質を探し出すことができます。新型コロナウイルスの抗体・抗原検査に使われている抗体は同社の提供する抗体ライブラリーから作られました。

今回のパンデミックを受けて、同社は新型コロナウイルスのライブラリーを提供しており、研究者が危険なウイルスを直接扱うことなく研究を進められるのは大きな利点です。最近では、今年の7月にバイオ医薬品の開発などで利用される抗体ライブラリー作成で武田薬品工業と提携することが発表され日本でもニュースになりました。

バイオ関連産業の“コロナバブル”とも言える現在の状況がいつまで続くのか分かりません。しかし、例えコロナが収束したとしても、グローバル化によって、また新たなパンデミックが頻発する可能性も指摘されています。

現在、世界各国で新型コロナウイルスの研究や治療法の模索が懸命に行われていますが、今回のように巨額の研究費が投入され世界中の研究者が夢中になって一つのウイルスの研究に没頭するという事態はいまだかつて無かったことです。

今回のコロナ騒動で失われたものは計り知れませんが、ウイルスや免疫の研究分野に多大な恩恵をもたらしたのも確かです。

バイオベンチャーも含めた多くの企業や研究機関に安価な合成DNA、ライブラリー、研究ツールを提供してきた同社は、ウイルスとの闘いにおける“インフラ企業”となっており、今後も研究基盤を支える重要な役割を果たしていくことになるでしょう。

会社ウェブサイト
www.twistbioscience.com

 

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