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アメリカ成長株:イミュノメディクス(Immunomedics) 抗ガン剤の副作用を大幅に抑える抗体治療薬を研究・開発

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アメリカ成長株:イミュノメディクス(Immunomedics)の概要

イミュノメディクス
Immunomedics, Inc.
ティッカーコード:IMMU
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/IMMU

新型コロナウイルス関連のニュースの中で“抗体”という言葉が頻繁に登場し、最近ではすっかりお馴染みになりましたが、簡単に言うと抗体は“特定の物質と結合する性質を持つタンパク質”で、体内に侵入してきた異物を排除するために細胞が作るものです。

抗体と異物の関係は“鍵と鍵穴”の関係に例えられるもので、例えばAという異物に対して作られた抗体は基本的に異物Aにしか結合しません。一つの鍵でどの家の鍵でも開いてしまったら意味がないのと同じです。この“特定のものだけに結合する”という抗体の性質を利用したのが抗体治療薬です。

イミュノメディクス社は主にガン治療のための抗体治療薬を研究・開発しており、これはガン細胞の表面にだけ存在するタンパク質を標的にした抗体の端に化学療法に使われる抗ガン剤を連結させたものです。

この抗体治療薬は“抗体-薬物複合体(ADC)”と呼ばれていて、ガン細胞に結合した後、中に侵入して抗ガン剤を放ちガン細胞だけを死滅させます。

抗ガン剤はガン細胞に対する毒性が強く効果も高いのですが、そのまま投与すると正常な細胞のもダメージを与えてしまうという欠点があり、化学療法には辛い副作用がつきまとうのが今までの常識でした。

ガン細胞だけに結合する抗体に抗ガン剤を運ばせることができれば正常な細胞へのダメージを減らすことができるのではないかという発想からADCが生まれました。

ADCは抗体の性質をうまく利用して抗ガン剤の毒性をガン細胞だけに向けることを可能にするものですが、抗体と抗ガン剤をつなぐ連結部(リンカー)をうまく設計しないと抗ガン剤としての効果が落ちてしまうという欠点があります。

ガン細胞に届くまでしっかりと抗ガン剤を保持し、ガン細胞の中に入ったらタイミングよく切り離すというのはなかなか難しいのですが、同社はリンカーの分子構造を改良し、高い抗ガン活性を維持することに成功しました。

いくつかの治療薬候補の臨床実験が進行していて、その中のサシツズマブゴビテカンは2020年の4月にFDA(米国食品医薬品局)によって承認されました。

これはトリプルネガティブ乳ガンと呼ばれる既存の抗ガン剤が効かない厄介なガンに有効であることが認められていて、医療現場で使われるようになれば乳ガンで亡くなる患者数を大幅に減らすことが期待されています。

ADCは抗ガン剤だけではなく、サイトカイン(免疫細胞を招集・活性化する分子)、毒素、放射性物質などと連結することもできるため、その組み合わせの検討やリンカーの改良の余地が残されていて、より効果が高くて副作用の小さいADCの開発が進んでいくことになるでしょう。

会社ウェブサイト
www.immunomedics.com

 

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