2021年6月末での、日本で利用できる米国小型成長株に投資する投資信託のパフォーマンス比較をしました。
要点は以下の通りです。
1)2021年6月は、長期金利が落ち着いたことから、小型成長株は堅調に推移しました。
ベンチマークとなるラッセル2000グロースは、円建て+5.58%、ドル建ては+4.69%のリターンでした。
(円建ては、対象投資信託と同じく、前日の米国終値を月末の為替で評価して計算)
2)ラッセル2000グロースおよびラッセル2000をベンチマークとする投資信託は以下の3つです。SBI:SBI米国小型成長株ファンド
BR:ブラックロック米国小型成長株式オープンAコース(為替ヘッジなし)
SMAM:三井住友DS-米国小型ハイクオリティファンド(資産成長型)
3)最近の動き
2021年6月はブラックロックとSBIは同水準、SMAMが続く順で、過去6ヶ月ではSBIとブラックロックが同水準、過去1年ではSBIがアウトパフォームとなっています。
(円建てリターン) 2021年6月末
投資信託
(注1) |
過去1ケ月 | 過去6ヶ月 | 過去1年 | 過去3年 | 過去5年 |
(実数) | (実数) | (実数) | (年率) | (年率) | |
R2000G | 5.58% | 17.10% | 58.00% | 15.43% | 20.13% |
SBI | 4.50% | 18.90% | 61.76% | – | – |
BR | 4.54% | 17.40% | 56.40% | 16.87% | 20.88% |
SMAM | 0.77% | 15.36% | 39.76% | 14.02% | 16.16% |
R2000G:ラッセル2000グロース:ベンチマークです。
4)中長期的なパフォーマンス (過去3年・5年)
上記3つのファンドのベンチマークからの乖離をもとに比較すれば、SBIが圧倒的です。尚、 SBI米国小型成長株は過去3年、5年のトラックレコードしかないため、実際の運用会社であるドリーハウス社の同じ運用戦略のリターンを使いました。
ドル建てリターン 2021年6月末
投資信託
(注) |
過去1年 | 過去3年 | 過去5年 |
(実数) | (年率) | (年率) | |
R2000G | 51.36% | 15.94% | 18.76% |
SBI-DH | 70.43% | 31.14% | 31.99% |
SBI-DH: Driehaus US Small Cap Growth Investor Class (DVSMX)
(注)手数料体系が国内籍ファンドと米国籍ファンドでは異なります。また、為替の影響もあるため、あくまで「長期的な傾向をつかむ」ための参考情報として見てください。
5)米国小型成長株ファンド VS SP500
ここ数週間の「米国成長株市場」のコメントでも述べていますが、2020年12月に米国小型成長株は、2013年から対主要株(SP500)の持ち合いを上に離れました。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年以来32%~38%の持ち合いが継続していましたが、2020年2月末では41%近くまで急上昇しています。3月にはいり利食いが入り、さらに4月~6月では長期金利上昇による市場の波乱により35%程度まで下落しています。
小型成長株はアクティブ運用が向いているのか、特定のファンドは強烈なパフォーマンスを長期間にわたってあげています。例えば、国内籍投信のリターン比較で取り上げているSBI米国小型成長株と同じ戦略であるドリーハウスの米国小型成長株は、SP500に対して、長期にわたって大幅なアウトパフォームをしています。
(参考情報:ドル建てリターン) 2021年6月末
投資信託
(注3) |
過去1年 | 過去3年 | 過去5年 | 過去10年 |
(実数) | (年率) | (年率) | (年率) | |
R2000G | 51.36% | 15.94% | 18.76% | 13.52% |
SBI-DH | 70.43% | 31.14% | 31.99% | 19.91% |
SP500 | 40.79% | 18.67% | 17.65% | 14.84% |
VSP500 | 40.76% | 18.64% | 17.61% | 14.80% |
SBI-DH: Driehaus US Small Cap Growth Investor Class (DVSMX)
(SBI米国小型成長株ファンドと同じファンドマネージャーが、同じ投資戦略で運用しているファンドです。)
VSP500 : Vanguard 500 Index Fund Investor Shares (VFINX)
(ヴァンガード社が米国で運用しているSP500のインデックスファンドです。)
データソースはこちら
→ SBIの米国小型成長株を運用しているドリーハウス社のウェブサイト
→ ヴァンガード社のウェブサイト
(参考情報)
→ SP500 VS ラッセル2000 長期の推移
→ SP500 VS ラッセル2000 この2年間
→ 過去の投資信託リターンデータ
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