2024年2月9日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1306.57で終わりました。一週間前に比べ+44.48(+3.52%)の大幅続伸でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+0.17%)やSP500(前週末比+1.73%)に比べてもかなり強い動きでした。
今週の米国株式市場は、
・インフレは収まってきたが、景気は予想外に堅調。このため、利下げが直ぐ行われる期待は後退
・一方で、個別企業の決算に市場の関心が移っている。特にAI需要を背景とする半導体関連銘柄には高い成長期待がある。
今週は、先週までに主力株に対する小型成長株の「相対的な負け」があり、かなり割安であった反動で、小型成長株に見直し買いが入った市場でした。
<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
小型成長株の主力株に対する相対的な負けが始まって、3年近くになります。
特にこの2年間は、長期的なトレンドから見ても、大幅に割安な水準が続いています。
この1年半、主力インデックスは上昇し最高値更新になっていますが、小型成長株はまだまだ上昇率が鈍く、歴史的高値からはかなり下の水準にあります。
(下記のラッセル2000グロース÷SP500も参照ください)
景気は底堅い、しかし、インフレは落ち着く、というのは小型成長株にとっては最高の投資環境にあります。外部材料が悪化しなければ、小型成長株の逆襲相場が来ると期待しています。
<外部材料>
米国国内の環境は良いのですが、「米国の外の材料」は、今週も悪化しています。
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
中国は旧正月前に株式市場を買い支える行動にでていますが、日本もバブル崩壊時によくあった現象です。結局トレンドの変化にはつながりませんでした。単なるスピード調整です。
イスラエルは停戦の合意は期待できません。またウクライナも、米国の予算交渉は停滞しており、戦線ではロシアの攻勢が続いています。
欧州政治については、「農業問題」が一段と厳しくなっています。欧州議会選挙も近くなり、大きな変化を起こすリスクが高まっています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年2月9日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1306.57/5044.25=25.90%
26週移動平均との乖離は-0.10%でした。
2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から27%~28%程度で「底値での横這い」という感じでしたが、2023年9月にはいり、さらにこのレンジを下に突き抜け、ついに2023年11月上旬には25%割れまで下落しました。FRBの利下げ期待が出てきたことから下げ止まっていますが、まだまだ異常に低い水準にあります。
小型成長株の本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。(外部材料が落ち着いてくれることを、願いながら)
→ 2020年9月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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