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アメリカ成長株: パシラ・バイオサイエンシズ(Pacira BioSciences) オピオイドに代わる疼痛管理技術を提供

ヘルスケア・バイオ

アメリカ成長株: パシラ・バイオサイエンシズ(Pacira BioSciences)の概要

パシラ・バイオサイエンシズ
Pacira BioSciences Inc
ティッカーコード:PCRX

上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/PCRX

オピオイドは強い鎮痛作用を持つ医療用麻薬の一種で、日本では主にガンやリュウマチの激しい痛みに限って使用が許可されています。ケシの実から作られるアヘンが原型の化合物であり、肉体的な苦痛から精神的な不安までを抑えることができるため依存症に陥りやすく、過剰摂取によって最終的には死に至る非常に危険な鎮痛剤です。

ところが米国では少しでも多く売りたいという製薬会社の工作でFDA(米国食品医薬品局)を動かし規制が緩和された結果、必要がないようなケースでも安易に処方され、結果的にオピオイド中毒が米国社会に蔓延していくことになりました。

映画に出てくる極悪企業のようなことをやって売りまくり、歯の治療を受けただけでヘロイン中毒になってしまう人も出るなど、ドラッグとは縁がなかったような普通の人々までが巻き込まれるという深刻な事態を招きました。

オピオイド関連の死者数は90年代から2017年まで増え続け、ピーク時には年間死者数が4万人を上回ることになり、交通事故と銃による死者数を超えてしまいました。

現在までに40万人超の米国人がオピオイドによって命を落とし、そのうちの約半分は病院で処方されているオピオイドによるものでした。

遂にはプリンスやトム・ペティなどの有名人がオピオイド鎮痛剤で次々に死亡する事態となり、ようやく人々がオピオイドの危険性を認識するようになりました。こうしてオピオイドに代わる“非オピオイド鎮痛剤”が求められるようになりました。

パシラ・バイオサイエンシズ社はオピオイドに頼らずに痛みを管理するための方法を提供していて、代表的なものにはエクサパレルとイオベラがあります。

エクサパレルは新しく開発したカプセルで包まれた局所麻酔剤で「持続時間が短い」という従来の局所麻酔剤が持つ欠点を克服することに成功しました。手術時に患部の周辺に集中的に投与することで長時間に渡って神経をブロックします。

イオベラは、片手で使えるハンディタイプの神経凍結麻酔装置で神経を適切に冷却することで痛みが伝わるのを抑えます。手術だけでなく変形性膝関節症にも使用できます。

すっかり悪者にされてしまったオピオイドですが、末期ガンやリュウマチなどの激しい痛みのコントロールに必須であることに変わりはありません。強い痛みがある場合に使用する分には依存性が生じる心配はほとんどなくて必要以上に怖れることはないのですが、人々のオピオイドに対する過剰とも言える警戒心はなかなか収まりそうもありません。

最近は“安全なオピオイド”の開発も進められていますが、越えなければならない壁が高くなかなか実用化には至っていないようです。当分の間はオピオイドの使用を最小限にしながらその他の方法と併用していくことになりそうです。

会社ウェブサイト
www.pacira.com

 

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