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アメリカ成長株: リヴァノヴァ(LivaNova):神経調節と心臓手術に使用されるデバイスを製造・開発

ヘルスケア・バイオ

アメリカ成長株:リヴァノヴァ(LivaNova)の概要

リヴァノヴァ
LivaNova PLC
ティッカーコード:LIVN
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/LIVN/performance

リヴァノヴァ社はイギリスに本拠を置いていますが、運営本部はアメリカとイタリアにある医療機器メーカーで、神経調節と心臓手術に使用されるデバイスを製造・開発しています。
現在の事業は神経調節部門、心肺部門、先進的な循環器サポート部門の3つの製品カテゴリーに分類されます。

1.神経調節部門
・迷走神経刺激療法(VNS):脳への軽度の電気刺激を通じて神経系に影響を与え、うつ病やてんかんの治療に使用される。
・舌下神経刺激療法(HGNS):電気刺激で舌下神経を刺激することで睡眠時無呼吸症(OSA)の治療に使用される。

2.心肺部門
・心肺製品:心臓手術や肺機能のサポートに使用される製品群で、心肺機器、酸素供給装置、輸血システム、カニューレ(挿入管)などが含まれる。
・循環サポート:心臓や肺の機能をサポートするための製品で、心臓のポンプ機能補助や体外二酸化炭素除去などが含まれる。

3.先進的な循環器サポート部門
・LifeSPARC:多様な病院環境でより多くの患者を支援するための多機能でシンプルな循環器サポート製品。
・ProtekDuoR:右心房から静脈血を引き出し、肺動脈に戻すという新しい設計のデバイス。
・TandemLifeR:緊急救命のための製品で、心臓と肺を一時的にサポート。
・TandemHeartR:手術なしに心臓の左室から血液を取り除き、それに酸素を供給してから心臓に戻すことで心臓の負担を軽減。
・TandemLungR:高度なガス交換技術により、複雑な作業や装置を必要としない呼吸ケアを提供。ただし、今年の1月に同社はこの先進的な循環器サポート事業部門の順次閉鎖を開始することを発表しました。

今後は、核となる心肺および神経調節事業部門を強化していく方針です。

最近、薬物による治療に代わる神経調節療法が注目され、盛んに研究されています。
これは神経系に電気刺激を与えることで神経活動を調節し、特定の症状や疾患を改善する治療法です。薬物療法とは違って神経に直接働きかけるため即効性があり、薬が効かない場合に効果を発揮します。同社の神経調節製品は主に治療困難うつ病(DTD)、薬剤耐性てんかん(DRE)、睡眠時無呼吸症などの疾患を微弱な電流による神経系の調節で緩和する治療装置です。

・治療が難しいうつ病
神経刺激を使用して脳内の神経回路を調整し、うつ病の症状を軽減することを目的としています。
通常の抗うつ剤による薬物療法や心理療法が効果を上げない患者に対して適用されます。
患者の気分や感情を安定させ、うつ病の症状の改善に役立ちます。

・薬剤耐性てんかん
てんかんの発作をコントロールするために脳への神経刺激を行います。
通常の抗てんかん薬が効果を発揮しない患者や手術が適切でない患者に対して適用されます。
てんかんの頻度や重症度を減少させ、患者の生活の質を向上させることが期待されます。

・閉塞性睡眠時無呼吸症
睡眠中に呼吸が一時的に停止する睡眠時無呼吸症を管理するために使用されます。
神経刺激によって気道の開放を促進し、睡眠中の呼吸を確保することで患者の睡眠品質を改善し、健康リスクを軽減します。
患者の日中の眠気や疲労感を軽減し、全体的な健康状態を改善します。

この中では、睡眠時無呼吸症のための神経調節製品が特に大きな市場を持っています。
睡眠時無呼吸症は一般的な睡眠障害であり、男性は5%前後、女性は2~3%前後と有病率が高いからです。
肥満が主なリスク要因となるため、世界的に増えている肥満と比例して睡眠時無呼吸症の患者が増加傾向にあることも後押しとなっています。

神経調節製品を用いた睡眠時無呼吸症の治療は、患者の生活の質を向上させるだけでなく、健康リスクを軽減する効果があり、医療費負担を抑えたい行政のバックアップも期待されるため、市場の成長が見込まれています

神経科学や技術の進化により、最近は神経調節療法の開発が盛んに進められています。
特にパーキンソン病治療において精度の高い標的治療法が次々と提案されており、新たな治療法の可能性を開くものとして有望視されています。
また神経科学の知見をリハビリテーションへ応用しようとする試みが進み、脳卒中や脳性麻痺、脊髄損傷などで失われた機能を回復する“ニューロリハビリテーション”も注目されています。

将来的には認知機能の向上や自律神経の調整への利用も想定されており、今後、神経調節療法はさらに進化して、より広範な疾患の治療に応用されることが期待されています。

会社ウェブサイト
https://www.livanova.com/en-us

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