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アメリカ成長株:レバンス・セラピューティクス(Revance Therapeutics) ボトックス注射の持続時間を大幅に伸ばすことに成功

ヘルスケア・バイオ

アメリカ成長株:レバンス・セラピューティクス(Revance Therapeutics)の概要

レバンス・セラピューティクス
Revance Therapeutics Inc
ティッカーコード:RVNC
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/RVNC

ボツリヌス菌と言えば日本でも過去にあった “辛子レンコン食中毒事件”が有名ですが、中毒の原因は菌が作り出す“ボツリヌス毒素”という猛毒で、この時には患者31名、死者9名が出る事態となりました。

この毒素が体内に入ると筋肉を動かす神経を麻痺させて最悪呼吸が止まり死に至ります。ボツリヌス毒素は筋肉の動きを抑えてしまいますが、それを逆手に取れば異常な緊張状態にある筋肉を和らげる“筋弛緩剤”として使うことができます。

「毒薬変じて薬となる」「薬も過ぎれば毒となる」などのことわざにもある通り、猛毒であっても使用する場所や量をコントロールすれば薬として利用できる場合があり、ボツリヌス毒素はその典型例と言えるでしょう。

同社が開発中のRT002はボツリヌス毒素を顔のシワを取る目的で使用されます。顔に注射された毒素によって顔の筋肉が動かなくなり、その結果表情を作る際にできるシワができなくなるというもので一般に“ボトックス”と呼ばれています。一部の芸能人の表情が不自然に見えるのはボトックスのやり過ぎではないかとも言われています。

美容整形にとどまらず、同社はボツリヌス毒素を医薬品としての使用にも広げていています。主力製品候補の“DAXI”は、筋肉のこわばりで起こる疾患の緩和に使用する臨床実験(フェーズ1~3)を進めており、首が傾いたり回転したりする“頸部ジストニア”ではフェーズ3 、手が突っ張ったままになる“上肢痙縮(けいしゅく)”ではフェーズ2の段階にあります。

ボツリヌス毒素は菌が作り出すタンパク質で、同社の製品はこれを精製して余分な成分を完全に除去し、添加剤で安定化させています。その結果、一般的なボトックス注射の効果の持続時間が12週間ほどであるのに対して24週間まで伸ばすことに成功しました。

同社はこの他に、注射の必要がない肌に直接塗るタイプのボトックスゲル(RT001)を開発していましたが、治験では明確な効果が認められなかったためこちらはストップしています。

この結果は皮肉にも“タンパク質を肌に塗っても効果がない”ということを実証することになり、世の中に出回っているコラーゲンなどのタンパク質を配合した肌クリームの効果に疑問符をつけることになりました。

注射という行為は自分で行うことができない上に針を肌に刺すことに抵抗感を感じる人も多いため、肌に塗るタイプの実用化が成功すれば一気に普及することが期待されます。タンパク質を肌に浸透させる事自体至難の業ではあると思いますが、成功したら革命的であることに間違いはなく、あきらめずに開発を継続させて欲しいものです。

 会社ウェブサイト
www.revance.com

 

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