2023年8月4日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1251.67で終わりました。一週間前に比べ-22.94(-1.80%)と反落しました。主要インデックスのNYダウ(前週末比-1.11%)やSP500(前週末比-2.27%)となり、相変わらずダウが強く、SP500よりは軽症でした。
「米国内の状況は、金利のピークは見えた。一方で景気は底割れではない→株は買い」という見方を背景に株式上昇が続いていたところに、「米国国債は、連邦政府の債務状況を考慮するとAAAではない」という予想外?のレイティング格下げがあり、利食い売りがでた一週間でした。
(ハードカレンシーの)国債のレイティング引き下げは、日本の例でも明確ですが、大きな売り材料になるとは思えません。しかし、先週のコメントでも書きましたが、株式市場が短期的にかなり上昇したので、「利食う材料を探していた」ため、株式市場はそれなりに下落しました。
一方で労働市場は過熱感が薄れており、米国市場内に大きな売り材料がないため、しばらくはスピード調整的な動きが続くと思っています。
<ウクライナ>
外部材料は、中国経済は小康状態、欧州政治も爆発はしていない、ニジェールはグローバルの売り材料にはなりにくい。安定しています。(ニジェール→フランス政治の可能性はありえますが、まだ大きな材料とはなっていません)
唯一、気になるのはウクライナです。これは米国小型成長株にどうこうでなく、世界の枠組み自体に影響を与えるため、無視できない材料だからです。
先週のコメントに書いたように、2023年8月は大きな節目になる可能性があります。
ウクライナ軍の反転攻勢は南部戦線でも東部戦線でもほとんど進んでいません。
逆にロシア軍は東部戦線でジリジリと押しています。
さらに、8月中に、ウクライナ軍がロシアの防衛線を突破できないと、季節的に反転攻勢が進めにくいというカレンダー的な制約要因もあります。9月になっても反転攻勢が現状のままでは、「停戦」への関心が世界的に高くなります。
サウジアラビアでの平和会議では、ウクライナは「ウクライナの主張する戦争の終わらせ方」への全世界的なサポートを集めたいようです。しかし、戦線の状況とはかなり距離があります。「戦争の終わらせ方」の議論に注目しています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年8月4日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1251.67/4478.03=27.95%
26週移動平均との乖離は-0.10%でした。
2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から28%程度で「低位安定」という感じです。長期的な視点で見れば、小型成長株は歴史的な買い場となっています。
→ 2020年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年6月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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