アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

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アメリカ成長株市場の動き-2023-07-14

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アメリカ成長株

2023年7月14日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1258.77で終わりました。一週間前に比べ+48.15(+3.98%)と大幅反発しました。主要インデックスのNYダウ(前週末比+2.29%)やSP500(前週末比+2.42%)をかなり上回る上昇でした。

発表されたCPIの伸びが市場予想を下回ったことから、インフレ懸念が和らぎ株式市場は反発となりました。売り込まれている小型成長株は、さらに大きな上昇となりました。

現在のアメリカの経済状況に対する2つの予想があります。
・経済が悪化する前に、賃金上昇率が鈍くなるのか?
・賃金上昇率が鈍くなる前に、景気が大きく悪化するのか?
株式市場はこの2つの考えで、週ごとに揺れています。

しかし、チャート的には小型成長株は底入れしています。(この1ヶ月ほど言っていることですが)
このまま、何もなく回復軌道に乗れば良いのですが。
金利高で確実にダメージを追っている、商業不動産等の爆弾が、爆発しないこと(あるいは爆発しても制御可能な水準にとどまること)を願っています。

<ウクライナ>
先週はNATOのミーティングがありました。
ウクライナの反転侵攻がうまくいかないことを、いかにダメージコントロールするかが最大の課題でした。クラスター爆弾を含む追加軍事支援を発表することで、乗り切った感じです。

しかし、「普通の弾薬が不足したから、もうクラスター爆弾送るしかしょうがない」と米国自身が認めたように、ウクライナを支える西側の弾薬不足は深刻です。

西側の経済力=潜在的な武器・弾薬製造能力はロシアをはるかに上回っています。しかし、ロシアはトップダウンで(一部国有の)生産部門に弾薬製造を強制できるのに対して、西側は民間企業の(弾薬増産のための設備投資で利益が出る、という)経営判断があってからの増産となります。実際には、まだ本格的な増産に至っていません。

一方で、戦線は膠着しています。
戦線の膠着が継続した場合、将来のどこかで、ウクライナの累計人的損失がある水準に達した場合、(西側の武器・弾薬の逐次投入があっても)戦争継続能力がなくなります。その場合、ウクライナは停戦を余儀なくされます。
停戦されたら弾薬消費は減るため、現在の戦況では、西側の民間企業はなかなか設備投資に走れません。

今後NATO加盟国の軍事予算は、長期的に増加すると予想されるという追い風はあります。しかしながら、軍事予算は非常に広範囲な出費(兵隊の人件費を含め)をカバーします。この予算増をもってしても、現在のウクライナ軍がダイレクトに必要としている弾薬の増産だけを目的とした、設備投資に踏み切るのは非常に困難です。

ウクライナの戦線は、無視するは大き過ぎる。しかし、西側経済が「国家総動員」をかけるには小さ過ぎる。もちろん、NATOとロシアが全面戦争となったら、国家総動員でも何でもできます。しかし、その場合は第三次世界大戦=地球全体を覆う核戦争となり、誰も望んでいません。

この本質的なジレンマがあるため、西側は(自分自身もあまり保有が十分でない)自分が持っている兵器・弾薬を小出しにして、ウクライナに供与しています。しかし、小出しではウクライナはロシアを押し戻せない、という別のジレンマを生み出しています。

ウクライナの反転攻勢については、日本(および西側)メディアや政府は、「ウクライナの反転侵攻が遅れている」といって、「反転侵攻しているウクライナ」と「ウクライナの侵攻ペース」だけに焦点を当てています。

しかしながら、実際には、少しずつロシアの反転侵攻が各地で起こっており、一部では領地が奪われています。ウクライナの本当の人的損失の累計規模は発表されていませんが、これが最終的な戦争の結果を決めます。ロシアがなぜ、反転侵攻に転じつつあるのか?この背景について、注視する必要があります。

(善悪は別にして、投資家は真実を知っておく必要があります。ウクライナの戦争の結果は、今後の世界の枠組み自体に影響を与えます。)

<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年7月14日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1258.77/4505.42=27.94%
26週移動平均との乖離は-0.29%でした。

2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。

2022年7月から反発トレンドでしたが、米国の地方銀行破たん、米国連邦政府の債務上限問題などで、相対的に財政基盤の弱い小型成長株は厳しい動きが続いています。

市場環境は引き続き厳しいですが、長期的な視点で見れば、小型成長株は歴史的な買い場となっています。

→ 2020年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年5月末時点)

(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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