2022年9月9日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1181.79で終わりました。一週間前に比べ52.86ポイントの大幅反発(+4.68%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+2.66%)やSP500(前週末比+3.65%)の上昇率を上回り、先週の大きな負けを取り換える反発となりました。
「この3週間かなり下落したため、テクニカル的な反発」と「0.75%の利上げは織り込まれ、景気の堅調さに目が向いた」の2つの見方がされています。
<アメリカの景気と金融政策>
前回のこのコメントで書きましたが、現在株式市場には以下の2つのシナリオがあります。
・インフレ低下のためにFRBの急激・大幅金利引き上げがあり、その結果景気が悪くなる。
・景気はそこそこ維持する、しかし、賃金圧力の低下と国際商品市況の下落でインフレが下がっていく。FRBの急激・大幅引き上げの必要性が低下していく。
先週までは前者が支配的でした。今週の反発については、「前者の中での短期的・テクニカル的な反発なのか?」それとも、「後者の可能性を織り込み始めたのか?」の2つの見方ができます。
9月13日に8月のCPIが発表されます。インフレ率が緩和すれば後者の可能性が高くなります。
<ウクライナ情勢>
ウクライナの反撃が勢いを増してきました。南部での反撃に続き、東部戦線の要衝であるイジュームを奪還したと報じられました。
前回のコメントで書きましたが、トルコ→ブルガリア→セルビア→ハンガリーとオセロゲームの石がひっくり返るように、「欧州の対ロシア制裁からの離脱国」が出てきています。チェコでも「ウクライナ支援より国民支援を」というデモが起こっています。9月25日にはイタリアで選挙があります。
ロシア制裁の副作用で苦しむ欧州市民が、「この苦しみの代償としてウクライナが勝っている。もうちょっと頑張ろう」となるかどうかは、ウクライナの反撃の戦果にかかっています。非常に重要な局面になってきました。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2022年9月9日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1181.79/4067.36=29.06%
26週移動平均との乖離は+0.91%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。2022年7月から反発トレンドになっていますが、現在でも歴史的な安値水準にあります。
まだまだ、小型成長株は買い、と思っています。
→ 2020年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2022年7月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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