アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

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アメリカ成長株:クロックス(Crocs):直販や差別化で成長を続けるサンダル会社

一般消費財

アメリカ成長株: クロックス(Crocs)のアップデート

クロックス
Crocs, Inc.
ティッカーコード:CROX
上場市場:NASDAQ

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/CROX

今回紹介するクロックスは2019年11月に紹介しました。
→ クロックスの概要

同社は2010年ごろまで世界的なブームの後、類似品がでて一時的に業績は悪化しました。その後商品の差別化と直販(DCT Direct to Clients)・デジタル化を進めた事で、業績は急回復。安定成長軌道を続けていました。

2019年11月に紹介した時の株価は25ドル前後でしたが、株価は成長株投資ブームもあって急上昇し、2021年11月には180ドルまで7倍以上になりました。しかし、その後株価は急落し、今年の6月には50ドル割れにまで売り込まれました。

背景は、小型成長株全体が逆風であったこと、金利引き上げによる成長株全体が急落したころ、そして2021年12月の「ヘイ・デュード社の買収」です。

ヘイ・デュード社はイタリア・フィレンツェの靴メーカーで、日本でも販売されており値段は7000円~1万円程度です。
https://jp.heydudeshoes.com/

このヘイ・デュード社の買収価格は25億ドル(現金で20.5億ドル、株式で4.5億ドル)でした。クロックス社は現金支払いの20.5憶ドルを金融機関から借り入れ等で支払いました。

買収時点のヘイ・デュード社の期待年間売上高は6~7億ドル程度であったため、「この買収価格は高すぎる。会社の借金は増えるし、株式も希薄化する」と株式市場の反応は非常に悪く、株価は10%以上急落しました。さらに小型成長株全体の売り、成長株全体の売りに巻き込まれ、株価はピークの3分の1以下まで下がりました。

株式市場が悲観したヘイ・デュード社の買収ですが、その後業績は堅調に推移しています。DCTも順調に増加しており、2022年2Q(4月~6月)の売上高は2億3200万ドルで、プロフォーマ基準で対前年比96%増加しています。さらに修正グロスマージンは47%、修正営業利益率も32.6%と非常に高くなっています。

2022年6月末決算発表時の、会社サイドのガイダンスはヘイ・デュード部分の年間売上高を8.5億ドル~8.9億ドルとしています。修正営業利益率を26%とすると営業利益は約2.3億ドルとなり、対前年90%超えの成長を考慮すると、25億ドルの買収の「割高さ」が薄れてきた感じです。

同社の今後の成長は、「クロックスがアメリカ外で売上を伸ばせるか」と「ヘイ・デュードが期待通り高成長を維持できるか」の2つ次第となります。

まずクロックス・ブランド(ヘイ・デュード部分以外)ですが、2022年2Qの売上高を見ると北米は対前年比7.6%増に対し、アジアパシフィックは17.4増%、EMEALA(欧州・中東・南米)は32.8%増でした。(ドル高の影響で海外売上のドル建ての売上高が低下したため、従来のドル価格を使った場合は、アジアパシフィックは27.6%増、EMEALAは48.4%増)
ヘイ・デュード・ブランドは今のところ高成長を達成しています。

クロックス社は、クロックス・ブランドは年率17%程度の成長、ヘイ・デュード・ブランドは年率20%以上の成長が期待できるとしています。一方、現在の株価は80ドルで、2022年の予想EPSは10ドル程度です。

もし会社の予想通りの実績が達成された場合、現在の株価は異常に安い水準にあると言えます。会社の目論見通りの成長が実現できるか注視しています。

会社ウェブサイト(投資家サイト)
https://investors.crocs.com/overview/default.aspx

 

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