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アメリカ成長株:オーウェンズ・イリノイ(Owens-Illinois):ガラス容器メーカー

鉱工業

アメリカ成長株:オーウェンズ・イリノイ(Owens-Illinois)の概要

オーウェンズ・イリノイ
Owens-Illinois, Inc.
ティッカーコード:OI
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/OI

牛乳、清涼飲料、調味料などの容器が紙パックやペットボトルに代わり、ガラス瓶に入った飲料や食品を見かけることが少なくなりましたが、環境保護の観点から見直されるようになっています。
ペットボトルはリサイクルされているイメージがありますが、実際にはほとんどが焼却熱として利用されているだけで、再び容器として再生されるのは2割前後にとどまっています。

ペットボトルを新しい容器として再生するには資源とエネルギーと手間が必要でコストがかかります。分別回収されないペットボトルは埋め立て処分や海洋投棄となり、マイクロプラスチックとして環境を汚染することになります。
変形・変質しやすいペットボトルのようなプラスチック製品は洗って再利用するわけにはいきませんが、ガラス瓶はきれいに洗浄してそのままリユース(再利用)することが可能で低コストでリサイクルできます。

割れたり傷ついたりしたガラス瓶は熱を加えるだけで再生できるし、埋立処分・不法投棄されたとしてもかなり長い時間はかかりますが徐々に分解されプラスチックのように化学物質が溶け出したりしません。
今回紹介するオーウェンズ・イリノイ社は、米国、欧州、アジア太平洋地域向けにビール・ワインなどのアルコール飲料と食品、清涼飲料、医薬品のための各種ガラス容器を製造しています。

ガラス瓶には中身を引き立てる演出効果があり高級なアルコール飲料や香水に欠かせませんが、同社はデザインされた様々な色・形の瓶を作っていて商品にペットボトルや缶にはない付加価値を与えます。

創業者のマイケルJ.オーエンスが自動のガラス瓶形成マシンを発明して以来、一世紀以上の歴史を持つ同社は製造工程の自動化に関する1800以上の特許を持っています。
同社がケンタッキー州に新しく建設する2024年操業開始予定の工場は
・効率化によりガラス炉(熱でガラスを溶かす施設)を従来よりもコンパクトな構造に抑えている。
・バイオ燃料や水素などのカーボンニュートラルな再生可能エネルギーを熱源として使用できる。
・様々なグレードのリサイクルされたガラスを原材料として使用できる。
という特徴をもつ環境対応型の施設です。

ガラスは砂や石灰岩などの天然素材からできている上に他の素材に比べて耐食性が高く食品や医薬品を安全に保存できます。
また、リユースやリサイクルで100%再生可能であり、総合的には他の素材ほどリサイクルに原材料やエネルギーを多く使わないという点で優れています。
ガラス瓶には“重い”という欠点がありましたが、強度を保ちながら軽量化する技術も進んでいます。

最近、コカ・コーラ社は米国でガラス瓶を復活させているそうですが、これは環境保護の意味にとどまらずリユースによるコストダウン効果もあり、高いインフレが続く米国では有利な選択肢になっています。

プラスチックによる環境汚染が深刻化し先の見えないインフレが続くと、環境と経済の両方向からの圧力により本格的な“ガラス回帰”が進んでいくことになるかもしれません。

会社ウェブサイト
www.o-i.com

 

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