アメリカ成長株:トリース・メディカル・コンセプツ(Treace Medical Concepts)の概要
トリース・メディカル・コンセプツ
Treace Medical Concepts Inc
ティッカーコード：TMCI
上場市場：NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/TMCI/annual
外反母趾は、女性に多い足の親指の関節が外側に突出する状態のことで、扁平足のような遺伝的原因で引き起こされます。
ハイヒールのような先の尖った靴を履き続けると悪化し、放置すると周辺組織に炎症が起きて歩行困難になるほどの痛みを生じます。
米国では年間で約45万件の手術が行われていて、成人の4人に1人が外反母趾に悩んでいると推定されるほどポピュラーな足の疾患です。
従来の外反母趾の手術は、骨を切断して一部を削り、角度を変えてつなぎ直す“骨切り術”が中心でしたが、術後の骨が不安定で回復に時間がかかり再発率が高いという問題がありました。
今回紹介するトリース・メディカル・コンセプツ社は骨を切断せずに、回転させて三次元的に再配置するLapiplasty Procedureという新しい手術プラットフォームを提供しています。
外反母趾の原因は、骨や関節の変形だと思われがちですが、実は第一中足骨という親指の付け根の骨が回転し、関節の接合面の角度が変化して不安定化することで引き起こされます。
つまり、骨や関節を切らなくても回転した骨を元に戻すことで治療が可能なのです。
しかし簡単に元に戻すと言っても、骨の回転度合いや関節の状態は患者によって異なるため、そう簡単ではありません。
手術前にX線やCTスキャンなどの画像検査で患部の状態を詳しく調べ、足の形状や歩き方を考慮しながら手術計画を策定します。
手術は以下の当手順で行われます。
・最小限の切開で骨を露出させ、特殊なガイド器具で骨を回転させて正しい位置に戻す。
・骨をプレートとネジで固定し、この状態を保持する。
・患部に圧力をかけて確実な固定を促す。
・縫合し、特殊なブーツで圧縮状態を保持しながら固定を続ける。
この方法は、傷口を小さくできる上に骨の切断もないため回復が早く、再発率も低いという点で従来の方法よりも優れています。
術後の再発率は、従来の骨切り術が1.8～78%に達するのに対して、この方法では0～3.3%に大幅に低下します。
また、最近同社が開発したMicro-LapiplastyとSpeedPlateは、さらに傷口が小さく済むもので、7cm必要だった切開を2cmまで縮小し、骨の再配置を正確に行うことで、より回復期間が短くなり手術の成功率も高まります。
外反母趾の患者数は多く、世界には膨大な市場が存在しています。
現在、北米、欧州、オーストラリア、ニュージーランド、日本など世界各地でLapiplasty Procedureが行われていますが、さらに同社は積極的なマーケティングで新しい市場を開拓しています。
従来の手術よりも様々な面で優れた手術プラットフォームを提供できる同社は、市場の獲得において有利に展開できる状況にあると言えます。
同社は、この新しい手術法に関する４０件以上の特許を持っており、外反母趾手術の世界的なトップリーダーになる可能性を秘めていて、今後の成長も大いに期待できるでしょう。
会社ウェブサイト
www.treace.com
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