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アメリカ成長株:シーマ4(Sema4): AIを活用してリアルワールドデータを解析

IT

アメリカ成長株:シーマ4(Sema4)の概要

シーマ4・ホールディングス
Sema4 Holdings Corp
ティッカーコード:SMFR
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/SMFR

新型コロナウイルスの感染拡大で世界中が大混乱に陥いることになり、各国でワクチンや治療薬の開発が盛んに行われています。
新しい薬の承認には臨床試験が必須ですが、パスしたからと言ってそれで終わりというわけではありません。

臨床試験後に実際に医療現場で使われていくうちに意外な効果や副作用が出たりすることが多々あり、こうした現場で得られる情報を“リアルワールドデータ(Real World Data)”と言います。

条件を整えた少数のサンプルから得られる臨床試験のデータとは異なり、多くの患者の様々な状況を反映しているのがリアルワールドデータです。

例えば、実際には高齢者に使われるような薬であっても臨床試験では規定上若者が対象となるため現場で高齢者に使ってみないと効果が分からないというケースがあります。手術、救急、難病の分野ではそもそも臨床試験が難しくリアルワールドデータに頼らざるを得ません。

リアルワールドデータはデータ量が圧倒的に多く費用もかからないので近年重視される傾向にあります。ただし、統一したルールに基づいて収集されているわけではないためまとまりのないデータの集合をそのまま利用するのは困難です。

こうした「価値はあるが大量で手に負えない玉石混交のデータ群から意味のあるエビデンスを抽出」することが得意なのが人工知能(AI)です。

今回紹介するシーマ4・ホールディングスの“Centrellis”というAIによる機械学習システムは、臨床データ(医療現場のデータ)と遺伝子データ(遺伝子と病気の関連)を解析し、治療や健康維持に役立つ情報を引き出すことができます。

Centrellisの機能をまとめると以下の6つになります。

1.臨床データとゲノムデータの構造化
膨大な臨床データ・遺伝子変異と病気の関連性のデータを利用可能な形に集約して構造化

2.病気の予測モデルの構築
構造化されたデータから将来どのような病気にかかる可能性があるか予測して治療開始の最良のポイントを決定

3.患者個人に合わせたケア
個別の診療記録データから治療のリスク評価を行い、治療を最適化

4.新薬開発の加速
標的の症状を持つ患者と臨床試験のマッチング

5.遺伝子検査の開発
病気に関連のある遺伝子変異の特定・ガン遺伝子の特定

6.医療関係者によるデータアクセス
患者データを自由に閲覧・登録できるようにすることでデータベースを常に更新して予防・診断・治療に役立つ情報を共有

同社の売上を牽引しているのは“項目5”のガン遺伝子検査・出生前遺伝子検査・新生児スクリーニングなどの遺伝子検査です。

現在、世界中で新型コロナウイルスとの熾烈な闘いが繰り広げられていますが、期待されたメッセンジャーRNAワクチンでも抑えきれず新しいワクチンや治療薬の開発が急がれています。

しかし感染の危険が身近にある今は、偽薬を投与された人々が感染したり死亡したりすることの倫理的な問題が生じてしまうため臨床試験がやりづらい状況にあります。
このような場合は医療現場で実際に使ってみてリアルワールドデータを収集し分析する方法に頼らざるを得ません。

実際、大勢の人々にワクチンを打った後にリアルワールドデータ解析によってその効果が証明されるケースもあります。その他にもリアルワールドデータは新薬の研究開発・マーケティング・追跡調査などに利用されています。

コロナとの闘いが長引いている現在の状況ではCentrellisのようなデータ解析システムが活躍する機会がしばらく続くことになりそうで、今後もリアルワールドデータの活用は益々進んでいくことになるでしょう。

会社ウェブサイト
https://sema4.com

 

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