アメリカ成長株：2021年11月末　投資信託のリターン比較

2021年11月末での、日本で利用できる米国小型成長株に投資する投資信託のパフォーマンス比較をしました。

要点は以下の通りです。

１）2021年11月は、月の前半は長期金利の落ち着きもあり堅調でした。しかし、南アフリカにおいて新しいコロナ変異株（オミクロン株）が報告されたことから、一気にリスクオフとなりました。昨年2月~4月と同様、リスクオフになると小型成長株は弱く、かなり大きな下落となりました。

ベンチマークとなるラッセル2000グロースは、円建て-3.1%、ドル建て-4.88%となっています。
（円建ては、対象投資信託と同じく、前日の米国終値を月末の為替で評価して計算）

２）ラッセル2000グロースおよびラッセル2000をベンチマークとする投資信託は以下の3つです。SBI：ＳＢＩ米国小型成長株ファンド（グレートスモール）
BR：ブラックロック米国小型成長株式オープンＡコース（為替ヘッジなし）
SMAM：三井住友DS－米国小型ハイクオリティファンド（資産成長型）

3）最近の動き
2021年11月はSMAMとSBIはほぼ横ばい、ブラックロックはかなり大きなマイナスでした。過去6ヶ月と1年間では、SBIがアウトパフォームとなっています。

(円建てリターン) 2021年11月末

R2000G:ラッセル2000グロース：ベンチマークです。

4）中長期的なパフォーマンス　(過去3年・5年)
上記3つのファンドのベンチマークからの乖離をもとに比較すれば、SBIが圧倒的です。

尚、 SBI米国小型成長株は過去3年、5年のトラックレコードしかないため、実際の運用会社であるドリーハウス社の同じ運用戦略のリターンを使いました。

ドル建てリターン　2021年11月末

SBI-DH: Driehaus US Small Cap Growth Investor Class (DVSMX)

(注)手数料体系が国内籍ファンドと米国籍ファンドでは異なります。また、為替の影響もあるため、あくまで「長期的な傾向をつかむ」ための参考情報として見てください。

５）米国小型成長株ファンド　VS　SP500
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年以来32％～38％の持ち合いが継続していましたが、2020年2月末では41％近くまで急上昇しました。しかし、3月にはいり利食いが入り、さらに4月以降は継続的に小型成長株のアンダーパフォームが続いています。11月の月末のリスクオフで一気に32%の水準も割り、「（相対的に）大負け」という状況です。
（小型成長株は歴史的にもかなり割安となっているとも言えますが）

インデックスはこの1年間冴えない動きですが、アクティブ運用のファンドは比較的堅調です。例えば、SBIのSP500インデックスファンドは過去一年41.40%のリターンでした。SBIグレートスモールは36.63%で、あまりやられていません。

長期的にはアクティブ運用の小型成長株はSP500 に大幅にアウトパフォームしているものがあります。SBI米国小型成長株と同じ戦略であるドリーハウスの米国小型成長株は、SP500に対して、長期にわたって大幅なアウトパフォームをしています。

(参考情報：ドル建てリターン)　2021年11月末

SBI-DH: Driehaus US Small Cap Growth Investor Class (DVSMX)
（SBI米国小型成長株ファンドと同じファンドマネージャーが、同じ投資戦略で運用しているファンドです。）
VSP500 ： Vanguard 500 Index Fund Investor Shares (VFINX)
（ヴァンガード社が米国で運用しているSP500のインデックスファンドです。）

データソースはこちら
→　SBIの米国小型成長株(グレートスモール)を運用しているドリーハウス社のウェブサイト
→　ヴァンガード社のウェブサイト

（参考情報）
→　SP500　VS　ラッセル2000　この2年間
→　過去の投資信託リターンデータ