アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

アメリカ成長株投資に興味のある方はこちらへ

アメリカ成長株:オント・イノベーション(Onto Innovation):半導体検査装置メーカー

IT

アメリカ成長株:オント・イノベーション(Onto Innovation)の概要

オント・イノベーション
Onto Innovation Inc
ティッカーコード:ONTO
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/ONTO/annual

オント・イノベーション社は、半導体を製造する装置のメーカーで、主な取引先はTSMCのような大手の半導体メーカーです。

半導体の製造には
・ウェハー製造:円柱形のシリコンを円盤状にスライスして洗浄した後、表面に酸化膜を作る。
・フォトリソグラフィ:感光性樹脂を塗り、回路パターン状にマスキングして紫外線を当てる。
・エッチング:感光しなかった不要部分を除去し回路パターンを形成する。
・イオン注入:不純物イオンを打ち込みP型・N型半導体を形成する。
・化学的機械研磨(CMP):表面を磨いて基盤を平坦化する。
・メタル配線:金属薄膜を蒸着して配線を形成する。
・組立て・パッケージング:完成したチップをパッケージに実装する。
などの工程があります。

同社は、こうした半導体製造の様々な工程で使用される計測、解析、製造のための以下のような装置とサービスを提供しています。

・エンタープライズソフトウェア
半導体製造工程のデジタル化を促進するソフトウェア。
工場現場と製造・検査装置およびサプライチェーンの情報を結びつけ、自動化と統合的なデータ分析を実現。

・欠陥検査
高速な自動検査システムと分析ソフトによって欠陥部分を補うプロセスの変更で歩留まりが向上。

・計測装置
光学的に回路パターンの寸法を非破壊的にナノメートル(10億分の1メートル)オーダーで測定。
薄膜の厚さと屈折率を光の干渉や反射によって測定し、製造工程での異常や欠陥を管理。

・エピタキシャル膜の厚さと組成
結晶の向きを揃えたエピタキシャル膜の厚さとシリコン中の不純物を測定。
半導体の性能が保持されて歩留まりが向上。

・リソグラフィー(微細パターン形成装置)
微細な回路パターンを基盤に転写する技術で、半導体製造において最も重要な工程。
この工程の正確さと解像度が半導体の性能と歩留まりを決定。

・プローブカードのテストと分析
ウェハーとテスターを接続するプローブカード(半導体専用のテスター)の点検と修理。
プローブカードの接触不良を防ぐことでテストの精度が向上。

・4Dテクノロジー
3次元の位置情報に時間軸を加えた4次元データを取得する技術。
多角度からの詳細な画像解析で欠陥を検知。
欠陥の発見と原因究明によりプロセスを改善。

集積化が進んだ半導体のサイズはナノメートルのレベルにまで到達しており、測定装置には以前に増して精密さと正確さが求められるようになりました。
分子の結晶の向きが性能に影響するほどで、検査やオペレーションがますます困難になっています。

同社の注目すべき点は、この問題の解決のために人工知能(AI)や機械学習を広範囲に取り入れているところにあります。

同社は以下のように積極的にAIを導入していて、同業他社と比べてもかなり進んでいます。
・検査装置に画像認識とデータ解析用のAIを搭載して欠陥認識精度を向上。
・大量の欠陥画像データをAIで学習することで微小な欠陥も高速検出。
・製造データをAIで解析してプロセス最適化に活用。
・あらかじめ製品の特性や品質を予測する“バーチャル計測”のためにシミュレーションとAIを融合。
・過去の保守データから異常を敏速かつ正確に特定し、新しい故障にも対応するなど保守業務にもAIとAR(拡張現実)を活用。
・製造、検査装置から得られる大量のデータを集積するクラウド上のAIプラットフォームを構築。

AIの導入には、欠陥を素早く発見し、原因を特定し、改善することで欠陥を減らし品質を上げる他、人間によるミスを減らすなどの大きなメリットがあります。
医療業界では、AIによる画像診断が進んでいて、画像データの解析から病変を発見し、専門家でも見落とすような微小な兆候も検出できるようになり多くの患者が救われています。
同じように半導体製造でも素早く正確に欠陥を見つけるためにAIの利用が進んでいます。

半導体の小型化・高性能化の競争はますます激化しており、半導体製造業界でもAIなしでは闘えない時代に突入しているのは間違いありません。
AIの活用で先頭を走る同社は今後も最先端の半導体メーカーを支える重要な存在として業界をリードしていくことになるでしょう。

会社ウェブサイト
www.ontoinnovation.com

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました