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アメリカ成長株: クリネティック・ファーマシューティカルズ(Crinetics Pharmaceuticals):内分泌系の疾患と腫瘍のための経口薬を開発

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アメリカ成長株:クリネティック・ファーマシューティカルズ(Crinetics Pharmaceuticals)の概要

クリネティック・ファーマシューティカルズ
Crinetics Pharmaceuticals Inc
ティッカーコード:CRNX
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク:
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/CRNX

クリネティック・ファーマシューティカルズ社は、内分泌系の疾患と腫瘍ための治療薬の臨床段階の開発を進めています。

脳、甲状腺、肝臓などの様々な臓器はホルモンを放出したり受け取ったりすることでお互いに情報を伝えあっています。このようなホルモンによる情報交換で全身のバランスが保たれていることを“内分泌”と呼んでいます。

ホルモンは細胞間の情報交換を仲介するペプチド(小さなタンパク質)で、ある細胞から放出されたホルモンが別の細胞の表面にある“ホルモン受容体”に結合することでスイッチをオンにして細胞内へその情報を伝えます。

内分泌疾患はホルモンの分泌が不十分か、逆に過剰であったり、ホルモンを受け取る側(ホルモン受容体)の異常などでバランスを崩してしまうことで引き起こされます。

こうした内分泌の異常を正すために
・ホルモンもしくは同じ作用をする物質の補充
・ホルモン分泌を抑制する物質の投与
・ホルモン受容体を阻害する物質の投与
・ホルモンを過剰分泌する臓器の放射線破壊もしくは切除
などの治療が行われます。

同社が現在開発しているのはホルモンの分泌抑制剤と受容体阻害剤で主に以下の3つになります。

1.パルトソチン
対象:先端巨大症、神経内分泌腫瘍
先端巨大症は脳の腫瘍が原因で成長ホルモンの過剰分泌された結果、額、顎、手先などの体の先端部分が肥大化する病気です。
パルトソチンは成長ホルモンの分泌を抑制する作用を持つソマトスタチンというホルモンの受容体(ソマトスタチン受容体2型)に結合して分泌抑制を促します。
1日一回服用するだけで効果が持続するもので、現在使われている注射が必要なペプチド薬と比べて患者の負担は大幅に軽減されます。
腫瘍が引き起こすホルモン異常の緩和だけでなく、腫瘍自体を縮小させる効果もあります。

2.CRN04777
対象:先天性高インスリン症
先天性高インスリン症の患者は血糖値を下げる働きのあるインスリンの分泌が過剰状態にあり、低血糖のために発作、発達障害、学習障害、昏睡などを引き起こし、さらには死につながる可能性もある深刻な病です。
CRN04777はインスリン分泌を抑制する作用のあるソマトスタチン受容体5型に結合することで血中のインスリンを減らします。
ソマトスタチンには成長ホルモン、インスリン、グルカゴンの分泌抑制効果があり、受容体によって使い分けられていて、1~5型までの5種類のソマトスタチン受容体が見つかっています。
ソマトスタチン受容体2型は成長ホルモン、ソマトスタチン受容体5型はインスリンの分泌抑制に関与しています。

3.CRN04894
対象:クッシング病、先天性副腎過形成症
クッシング病は、腫瘍が原因で、副腎皮質ホルモンの一つであるコルチゾールの過剰分泌され体重増加、脂肪沈着、皮膚の菲薄化、倦怠感などを引き起こします。
先天性副腎過形成症も副腎皮質ホルモンの過剰分泌で引き起こされる遺伝病で、脱水症、心不整脈、代謝性アシドーシス、低血糖、低ナトリウム血症などを引き起こします。
CRN04894は、副腎皮質ホルモンの受容体に結合する阻害剤で、副腎皮質ホルモンの働きを抑える効果があります。

これらの治療薬はペプチドやタンパク質のような大きくて複雑で不安定な分子ではなく、コンパクトな構造の低分子薬であるため製造しやすく経口薬として提供できます。

ホルモンの多くはペプチドであるため、ホルモン両方のためのペプチド薬が多く開発されていますが、胃酸や酵素によって分解されてしまうため経口投与できません。

同社の経口薬は自宅で飲むだけで済むので、患者は通院の必要がなく注射の痛みからも開放されます。内分泌疾患の療法は長期もしくは一生に渡るため、実用化されれば患者の生活の質を下げないという意味においても大きく貢献することになるでしょう。

 会社ウェブサイト
www.crinetics.com

 

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