2024年10月4日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1441.68で終わりました。一週間前に比べ-2.52(-0.17%)の小幅下落でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+0.09%)とSP500(前週末比+0.22%)に比べてもやや弱い動きでした。
このコメントでは従来より
・金利低下のトレンドが出てきている
・問題は、米国の景気の底堅さ
・波乱要因は、外部材料。具体的には中東問題、ウクライナ、中国景気、欧州政治
と言ってきました。
今週の相場は、上記がそのまま表れた一週間でした。
週の前半は、「イランによるイスラエルの空爆。これに対するイスラエルの反撃で一段と中東情勢は緊張。特にイランの石油関連施設が攻撃された場合、原油市場にショックを与える」という見方から下落しました。
しかし、10月4日に発表された、9月の非農業部門雇用者数変化が25.4万人と、予想の14万人を大幅に上回ったことにより、「米国景気の底堅さ」を好感し、株式市場は反発しました。
結局一週間を通してみれば、ほぼ横ばいで終わっています。
<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
FRBの金融政策は利下げが実行されました。今後、焦点は「景気の底堅さ」です。
今後、利下げ効果の期待感もあり、極端な景気減速を示す経済指標が出ない限り、株式市場は堅調と思います。
特に、歴史的に主力インデックスに対して非常に割安である小型成長株は、全体水準のみならず相対的(対主力インデックス)にも堅調な動きになることを期待しています。
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
イランがイスラエルを攻撃したことから、中東問題がさらにエスカレートしました。
<中東問題>
やはりイランがイスラエルに弾道ミサイル攻撃をしました。「やられっぱなし」では済まなかったようです。
次の焦点は「イスラエルの反撃」の中身です。イスラエルは「やられっぱなし」は受け入れません。何をどのように攻撃するか、が問題です。
石油施設への攻撃程度で済むのか?それとも「核開発施設」など、本当にイランを追い詰める攻撃にでるのか?
前者の場合は、ある程度株式市場は織り込んでいます。
しかし、後者の場合は、かなりのショックになります。
<ウクライナ>
かなり前から危機的状況であったウグレダルが陥落しました。さらにポクロウシク方面も、ウピャンスク方面も、一段と厳しくなっています。世の中の関心が中東に移るなか、ウクライナの苦境は続きます。ただし米国が「ウクライナが負けるのは困る。しかし、ロシアを追い込むのはもっと困る」政策を維持できる間は、米国株式市場には大きな悪影響にはなりそうにありません。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年10月4日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1441.68/5751.07=25.07%、
26週移動平均との乖離は-0.04%でした。
この3年間、小型成長株は相対的に「大負け」の状況です。
金利上昇、一部の大型IT・AI企業の上昇など、負け材料が連発でした。
現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあります。
FRBによる利下げも実行され、今後、極端に景気が悪化しない限り、小型成長株は「これまでの負けを取り返す」本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。
(外部材料のこれ以上の悪化がなければ、という条件付ですが。)
→ 2021年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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