2024年4月19日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1246.86で終わりました。一週間前に比べ-51.74(-3.98%)の大幅続落でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+0.01%)やSP500(前週末比-3.05%)に比べても、大きな下落でした。
景気は堅調ですが、そのせいもありインフレは予想より下がり方が遅くなっています。
FRBの金利引き下げのタイミングも、期待されたより先に、また利下げのレベルも少な目になってきています。
そこに、中東の緊張激化という悪材料も加わりました。さらに、これまで相場を引っ張ってきた半導体関連も急落しており、米国大型成長株も急落しまました。
いろんな悪材料が集中し、米国小型成長株にとって厳しい一週間でした。
<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
但し、外部材料を除けば、現在の環境は小型成長株にとってそんなり悪い状況にありません。
利下げタイミングが先になったとしても、一時のような大幅なインフラが来ているわけではありません。景気が堅調だからインフレの低下が鈍っているだけです。全体としてはプラスの環境です。
また金利についても、タイミングはともかく低下トレンドであり、さらに利上げ環境にはなりそうにありません。
外部材料が落ち着けば、特に原油価格が落ち着けば、小型成長株にとって良好な環境となります。
(下記のラッセル2000グロース÷SP500も参照ください)
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
レベルとしてはどれも厳しいものの、悪化のスピードという意味では、今週は少し改善しています。イランからの攻撃に対して、イスラエルも反撃しましたが、かなり抑えられたものでした。また、今週は、ウクライナにとって久ぶりに良い材料がでました。
1)ウクライナ侵攻
ついに、米国のウクライナ支援予算が通る見込みが立ちました。
これに先立ち、ゼレンスキー大統領も動員についての新法制に著名を行い、武器・金・人の問題に、「何とか」解決策がでてきた感じです。
今年に入り、ウクライナの戦線は非常に厳しい動きが続いていましたが、これにより再びウクライナは「それなりに抵抗できる」状況となります。最悪のシナリオであった、「一気にウクライナ崩壊」、の可能性はかなり低くなりました。
2)中東問題
イスラエルとイランのそれぞれの攻撃(反撃)を見れば、イスラエルとイラン自体も「正面衝突は避けたい」という感じです。
但し、イスラエルはガザの問題では妥協できないため、まだまだ問題はくすぶり続けます。
米国小型成長株にとっても非常に大きな材料なので、このまま「くすぶるだけで継続し、常態化することで、材料としてはフェードアウトして欲しい」と思っています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年4月19日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1246.86/4967.23=25.10%、
26週移動平均との乖離は-0.73でした。
2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から27%~28%程度で「底値での横這い」という感じでしたが、2023年9月にはいり、さらにこのレンジを下に突き抜け、ついに2023年11月上旬には25%割れまで下落しました。FRBの利下げ期待が出てきたことから下げ止まっていますが、まだまだ異常に低い水準にあります。
小型成長株の本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。
(悪化を続ける米国国外の悪材料が爆発しないことを願いながら)
→ 2020年9月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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