2023年8月18日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1185.30で終わりました。一週間前に比べ-38.20(-3.12%)と大幅続落しました。主要インデックスのNYダウ(前週末比-2.21%)やSP500(前週末比-2.21%)と比べても、先週同様、小型成長株の弱さが目立ちます。
7月までの急反発の反動に加え、来週にはFRB議長の講演への警戒感、さらに中国経済の悪いニュースもあり、かなり大きな下げとなりました。
<外部材料とウクライナ>
以前からこのコメントで注意すべき外部材料として
・中国景気
・欧州の政治
・ウクライナ侵攻
の3つを上げています。
中国について
今週は引き続き中国および中国不動産の悪材料が多く出ました。
需要をはるかに上回る(完成済+未完成)不動産在庫と、その不動産を作るために積み上げた巨大な負債があります。解決には、巨大な「政府による人為的な有効需要創造+流動性供給」が必要となります。中国政府が、いつ、どのように覚悟するのか、を市場は見定めるステージに入っています。
米国はデカップリングを志向していますが、何といっても中国は世界第二位の経済規模を持ち、かつ米国の主要貿易相手国です。直接・間接的な投資も膨大です。中国が本当に厳しくなれば、米国(および米国小型株)も、少なくとも短期的には無傷ではすみません。
ウクライナについて
ついに
最近西側の要人が、少しずつ「戦争の終わらせ方」をコメントするようになりました。
また、西側メディアも、ウクライナの苦境について報道し始めました。
今年の春の時点で「秋になると、天候の影響で、ウクライナの反転攻勢の継続が難しくなる」と言われていました。
その当時、ウクライナと西側諸国は、「春の反転攻勢」を想定しており、秋までには「何らかの結果=少なくともアゾフ海の一部には到達」を期待していました。しかしながら、現状は非常に厳しい事になっています。報道内容も少し傾向が変わり、また、いろんな発言が出ざるを得ない状況になってきました。
一方で、(私が中立的であると感じている、いくつかの)ユーチューバーは以下の点を指摘しています。
・ウクライナ軍は、最後の予備兵力を投入して猛烈に攻撃しており、南部戦線の2か所で、ロシアの防衛線に近づいている。(少し成果がでていることは事実)
・しかし、全力を尽くしている(=限界が近い)ウクライナ軍が、ここでロシアの防衛線を突破できないと、非常に厳しい状態となる。
・逆に、ロシア軍は、多くの予備兵力、航空兵力を温存しており、どこかのタイミングで大きな攻勢をかける可能性がある。
善悪は別にして、投資をする場合、「何が真実なのか?」を知っておく必要があります。
8月もあと10日で終わります。秋が近づいてきました。
これまでいろいろと報道されてきたことが、何が本当で、何が嘘だったのか、が明確になります。(ウクライナの発表もロシアの発表も、西側の報道も。いったい誰が一番真実に近かったのか?)
非常に興味深く見ています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年8月18日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1185.30/4464.05=27.13%
26週移動平均との乖離は-0.76%でした。
2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から27%~28%程度で「底値での横這い」という感じです。長期的な視点で見れば、小型成長株は歴史的な買い場となっています。
上記の分析は単純にインデックスの水準だけを比較したものですが、ファンダメンタルデータ(利益水準およびPER)で比較しても、現在の小型成長株はかなり割安です。
「小型成長株は割安」といって1年以上なります。そろそろ小型成長株相場が来て欲しいと思っています。
→ 2020年4月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年6月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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