2023年7月21日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1267.93で終わりました。一週間前に比べ+9.16(+0.73%)と小幅続伸しました。主要インデックスのNYダウ(前週末比+2.08%)やSP500(前週末比+0.69%)となり、ダウだけが比較的大きな上昇となっています。
先週に引き続き、金利引き上げ打ち止め期待を背景とした上昇でしたが、一週間前が大きな上昇であったことから、今週は利食いもあり、小幅な上昇でした。
<ウクライナと中国経済>
米国の景気は、大幅な金利引き締めにも拘わらず、まだ底堅い動きです。米国国内の要因は、ひとまず株式市場を支えています。
しかし、米国国外の材料は不透明感が強くなってきました。
まずウクライナの戦況は相変わらず膠着していますが、ロシアの攻勢が少しずつ強くなってきています。また、穀物輸出合意が更新できなかったことや、ロシアによるアゾフへの攻撃(クリミア大橋の爆破に対する報復)により、小麦価格が急騰しています。
小麦価格上昇をきっかけとする途上国の政情不安や、欧州のインフレを背景とするスペイン総選挙への影響を見極めたいと思っています。
(ロシア軍の攻勢については、西側メディアはまだあまり報じていませんが、ユーチューバーがさかんに言及しています。6月初旬のウクライナ軍の反転攻勢の失敗についても、やっと最近「最初の2週間でウクライナ軍の2割の兵器が破壊された」と西側メディアは報道しています。現在の、ロシア軍の攻勢についても、一か月後には報道されるのでしょうか?)
中国の不動産については、再び大手不動産開発会社の社債がデフォルトとなったり、恒大の債務超過など、悪材料が表面化してきました。こちらも米国株式市場への悪影響が懸念されます。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年7月21日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1267.93/4536.34=27.95%
26週移動平均との乖離は-0.23%でした。
2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から反発トレンドでしたが、米国の地方銀行破たん、米国連邦政府の債務上限問題などで、相対的に財政基盤の弱い小型成長株は厳しい動きが続いています。
市場環境は引き続き厳しいですが、長期的な視点で見れば、小型成長株は歴史的な買い場となっています。
→ 2020年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年6月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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