2023年3月31日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1154.03で終わりました。一週間前に比べ+46.86の続伸(+4.23%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+3.22%)やSP500(前週末比+3.48%)に比べてもやや大きな上昇でした。
銀行破たんをきっかけにした「不安」が、預金者へのダメージを起こさない政策によってかなり収まりました。この数週間(絶対的にも相対的にも)冴えなかった小型成長株も落ち着きを取り戻しています。
但し、リーマンショックの時もそうでしたが、金融機関の破たんは何度も波が来ます。まだしばらくは不安定な市場が続くと考えています。
<ロシアのウクライナ侵攻>
この数日、バフムトでの戦闘について、日本のメディアの記事と、いくつかのユーチューブの報告に、非常に大きな乖離ができています。
例えばグーグルで「バフムト」と入力して、ニュースを押せば,
・結局「バフムト攻略戦」はロシア・ワグネルの敗色濃厚 (デイリー新潮)
・ロシアのワグネル派遣部隊、東部バフムトで被害 (日本語ロイター)
・バフムト包囲「危機なくなった」(ニューヨークタイムズの記事→共同)
英語ではいろんなニュース(ロシア寄り、ウクライナ寄り)あるのですが、日本のメディアは「ウクライナ寄り」を選んで日本語にしているのでは?と勘ぐってしまいます。
「ウクライナ 反転攻勢」と打っても同じような感じです。
ユーチューブもロシア寄り、ウクライナ寄りいっぱいあります。
あまりにも詳しく、逆に「本当か?」と疑りたくなるものもあります。
しかし、いろいろと見ていると、それなりに信頼できそうなものがいくつかあります。それらの内容と、日本のメディアから出されるニュースのニュアンスに大きな違いを感じています。
これらのユーチューブの、この最近の意見をまとめると
「ロシアおよびワグネルのバフムト攻撃は、着実に進んでいるし、鈍化もしていない。
ウクライナのバフムト防衛は莫大な損失を(ロシアではなく)ウクライナに与えている。
兵隊の損失は大きく、ウクライナの春の反転攻勢をする兵隊も十分でない。さらに西側から提供される武器も不十分。
ゼレンスキーは「バフムトは絶対守らないといけない」、と言い過ぎて、もし陥落した場合、ダメージコントロールができないのではないか?」
彼らの意見が、ロシアのプロパガンダだと良いのですが、この1週間のバフムトの戦争地図( war map、ISW等いっぱいありますが)の動きを見ると、ウクライナの行方はかなり心配になります。
(さらに、このウェブサイトの目的とは関係ないのですが、日本のメディアは大丈夫か?
と日本のメディアと日本の世論の行方のもかなり心配になります。)
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年3月31日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1154.03/4109.31=28.08%
26週移動平均との乖離は-0.85%でした。
「比較的財務状況の健全な大型株を買い、財務力が?の小型株を売る」という流れが継続しており、比率の下落トレンドが変化したかどうかは、まだわかりません。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。2022年7月から反発トレンドでしたが、SVB破綻以後に再び安値近辺まで下落しています。
市場環境は引き続き厳しいですが、長期的な視点で見れば、小型成長株は歴史的な買い場となっています。
→ 2020年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年2月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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