2021年7月16日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1472.83で終わりました。一週間前に比べて、92.45ポイントの急落(-5.91%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.52%)やSP500(前週末比-0.88%)は小幅下落にとどまっており、小型成長株の弱さが際立っています。
<小型成長株の負けとビットコイン>
市場ではデルタ株の感染増加に再び関心を集まり、成長株への不安から小型成長株が売られているよう言われています。似たような環境は昨年の3月にもあり、小型成長株が集中的に売られました。しかし、後から振り返れば2020年3月は、小型成長株の歴史的な買い場でした。
しかし、私はコロナよりもビットコインの方が影響が大きいのでは?と思っています。
この数か月の動きを見ると、ビットコインに代表される仮想通貨市場と小型成長株の相対的な強さ(対SP500)が連動しています。今週もビットコインはかなり下がりました。
ビットコインの動きと小型成長株の業績には、ファンダメンタル的には全く関連はありません。しかし、投資家層(特に、短期的な需給に影響を与えるアグレッシブな個人投資家)は、かなり重なっている可能性があります。
ビットコインは32000ドル近辺まで急落した後反発していますが、何度も31000~32000ドルの底値を試しながら反発の力が弱まり、三角持ち合いになっています。受給が煮詰まってきている感じです。そろそろ、三角持ち合いを上に離れるのか、下に離れるのか「真実の瞬間」が近づいています。
今週はかなり弱い動きとなり、いよいよ下っ離れか?という感じです。ビットコインがこの水準を割れば、大きなクラッシュ相場が来ます。この数か月の動きを見れば、小型成長株も巻き込まれるリスクがあります。しかし、この下落は小型成長株の絶好の買い場となります。
ビットコインの価格は、全体としては小型成長株の業績には影響が無いからです。さらにファンダメンタル的には、小型成長株はプラスの材料もあります。大型株に対するバイデン政権の厳しい政策、および小型成長株にはその隙間を埋める事業機会が提供されることです。
ビットコインの急落が、小型成長株の株価とファンダメンタルに大きな乖離を作り出しているとすれば、非常に魅力的な投資機会を提供している可能性があります。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2021年7月16日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1472.83/4327.16=34.04%
26週移動平均との乖離は-4.16%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しましたが、再びこの歴史的なレンジに戻っています。
短期的には厳しき状態が続いていますが、長期的に小型成長株は主要インデックスに勝っており、魅力的な投資機会を提供していると思っています。
→ 2019年6月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2021年6月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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