アメリカ成長株:グリーンブライアー・カンパニーズ(Greenbrier Companies)の概要
グリーンブライアー・カンパニーズ
Greenbrier Companies Inc
ティッカーコード:GBX
上場市場: NYSE
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/GBX
グリーンブライアー・カンパニーズ社は、鉄道輸送のための貨物列車の設計・製造・販売・リースおよび改修・修理の部品・サービス提供を北米・ヨーロッパ・南米に広く展開しています。
海外、特に東アジアから米国に輸入される貨物は船便によって西海岸に届きますが、鉄道はこれを内陸部に運ぶ重要な役割を果たしています。
これまで鉄道輸送はコストが高いという問題が常につきまとっていて、高速道路網の発達と共にトラック輸送にシェアを奪われつつありました。しかし、最近になってコストの問題を解決する処方箋が出てきています。
コストダウンのためには一度に運ぶ量を増やす必要があり、貨物コンテナを二段重ねで運ぶ“ダブルスタックカー”が開発され、一度に従来の2倍の量を運べるようになりました。土地の起伏が激しく橋やトンネルが多い日本では考えられない大胆な効率化です。
さらに同社が開発した“Auto-Max”や“Multi-Max”は、自動車を3段重ねで積載できる超大型貨物車両で、高さは6メートルにもなり、これはダブルスタックカーの高さに匹敵します。
文章だけではなかなかイメージしにくいので、下記のウェブサイトをご参照ください。
https://www.gbrx.com/manufacturing/north-america-rail/auto-carrier-railcars/auto-max-ii/
車を乗せるラック部分は取り外し可能であり、車のサイズに合わせてレイアウトを変えられるようになっているため大型トラックやバンも自由に混載できます。車両間は車が通り抜けられる構造になっていて連結したまま車を搬入搬出できるよう効率化されています。
鉄道と競合するトラック業界では人材不足が深刻ですが、何百のコンテナや車を一度に運べる鉄道はその点において圧倒的に有利です。さらに近年先進国では“地球温暖化防止”や“持続可能な社会”が言われるようになり、低炭素社会を目指す方向へ転換しつつあります。
米国の鉄道はほとんどが非電化区間であり、化石燃料の軽油を使うディーゼル機関車が牽引しますが、それでも二酸化炭素の排出量がトラック輸送に比べて四分の一で済むため鉄道輸送が再び見直されるようになって来ています。今後は路線の電化や燃料電池・ハイブリッド機関車の導入などによってさらにCO2排出量を減らすことも期待できます。
最近欧米各国で導入が進んでいるカーボンオフセットや炭素税などの仕組みは「CO2を出さないこと」に価値を与え、その結果鉄道輸送のコストを下げる効果をもたらします。
米国の鉄道業界は労働組合が強くコストに占める人件費の割合が高いことや、列車の高速化や効率化が進んでいないことなど、まだまだコストを下げる余地が十分に残っています。
環境負荷が低くコストでも勝負できるようになってきている今、ここしばらくトラック輸送に押されっぱなしだった鉄道の逆襲が始まっています。
会社ウェブサイト
www.gbrx.com
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