2020年11月末(11月30日時点)での、日本で利用できる米国小型成長株に投資する投資信託のパフォーマンス比較をしました。
要点は以下の通りです。
1)2020年11月は、欧米においてコロナ感染者が急激に増加したものの、バイデン氏の大統領選挙当選による景気刺激策への期待とワクチン開発が進展したことから、一気にリスクオンとなり米国株式市場は急上昇となりました。特に米国小型成長株は、景気回復期待の先取りから、主要インデックスに比べても好調な動きでした。
ベンチマークとなるラッセル2000グロースは、円建て+15.60%、ドル建ては17.63%のリターンでした。
(円建ては、対象投資信託と同じく、前日の米国終値を月末の為替で評価して計算)
2)ラッセル2000グロースおよびラッセル2000をベンチマークとする投資信託は以下の3つです。SBI:SBI米国小型成長株ファンド
BR:ブラックロック米国小型成長株式オープンAコース(為替ヘッジなし)
SMAM:三井住友DS-米国小型ハイクオリティファンド(資産成長型)
3)最近の動き
2020年11月はブラックロックが好調でした。過去6ヶ月、1年の比較では、SBIがブラックロックとSMAMを大きくアウトパフォームしています。
(円建てリターン) 2020年11月30日
投資信託
(注1) |
過去1ケ月 | 過去6ヶ月 | 過去1年 | 過去3年 | 過去5年 |
(実数) | (実数) | (実数) | (年率) | (年率) | |
R2000G | 15.60% | 28.62% | 19.36% | 9.88% | 8.72% |
SBI | 11.76% | 34.86% | 36.05% | – | – |
BR | 15.61% | 26.80% | 16.78% | 11.53% | 9.41% |
SMAM | 9.35% | 16.78% | 11.25% | 8.12% | 7.58% |
R2000G:ラッセル2000グロース:ベンチマークです。
4)中長期的なパフォーマンス (過去3年・5年)
上記3つのファンドのベンチマークからの乖離をもとに比較すれば、SBIが圧倒的です。
尚、 SBI米国小型成長株は過去3年、5年のトラックレコードしかないため、実際の運用会社であるドリーハウス社の同じ運用戦略のリターンを使いました。
ドル建てリターン 2020年11月
投資信託
(注) |
過去1年 | 過去3年 | 過去5年 |
(実数) | (年率) | (年率) | |
R2000G | 25.95% | 12.83% | 13.19% |
SBI-DH | 53.40% | 29.40% | 24.31% |
SBI-DH: Driehaus US Small Cap Growth Investor Class (DVSMX)
(注)手数料体系が国内籍ファンドと米国籍ファンドでは異なります。また、為替の影響もあるため、あくまで「長期的な傾向をつかむ」ための参考情報として見てください。
5)米国小型成長株ファンド VS SP500
昨日の「米国成長株市場」のコメントでも述べましたが、米国小型成長株は、2013年から主要株(SP500)に対して、買ったり負けたりです。
しかし、小型成長株はアクティブ運用が向いているのか、特定のファンドは強烈なパフォーマンスを長期間にわたってあげています。例えば、国内籍投信のリターン比較で取り上げているSBI米国小型成長株と同じ戦略であるドリーハウスの米国小型成長株は、SP500に対して、大幅なアウトパフォームをしています。
(参考情報:ドル建てリターン) 2020年11月30日
投資信託
(注3) |
過去1ケ月 | 過去1年 | 過去3年 | 過去5年 | 過去10年 |
(実数) | (実数) | (年率) | (年率) | (年率) | |
R2000G | 17.63% | 25.95% | 12.83% | 13.19% | 13.30% |
SBI-DH | 16.50% | 53.40% | 29.40% | 24.31% | 19.32% |
SP500 | 10.95% | 17.46% | 13.17% | 13.99% | 14.19% |
VSP500 | 10.94% | 17.30% | 13.02% | 13.84% | 14.03% |
SBI-DH: Driehaus US Small Cap Growth Investor Class (DVSMX)
(SBI米国小型成長株ファンドと同じファンドマネージャーが、同じ投資戦略で運用しているファンドです。)
VSP500 : Vanguard 500 Index Fund Investor Shares (VFINX)
(ヴァンガード社が米国で運用しているSP500のインデックスファンドです。)
(参考情報)
→ SP500 VS ラッセル2000 2002年以降の長期の推移
→ SP500 VS ラッセル2000 この2年間
→ 過去の投資信託リターンデータ
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