アメリカ成長株: アダプトヘルス(Adapt Health)の概要
アダプトヘルス
Adapt Health Corp
ティッカーコード:AHCO
上場市場:NASDAQ Small Cap
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/AHCO
アダプトヘルス社は、在宅医療機器と関連するサービスを提供する事業を全米で展開している会社です。
CPAP(睡眠時無呼吸症のための呼吸補助装置)、人工呼吸器、車椅子、歩行器、医療ベッド、血糖値モニター、人工肛門・人工膀胱、栄養補給機材など医療機器から消耗品まで在宅医療に必要な様々なものを取り扱っています。
米国ではこうした在宅医療機器のニーズが高まっていて、その理由として以下のようなことが挙げられます。
・その他の先進国と同様に在宅医療機器に頼る高齢者が増えている。
・人口あたりの医者・病床数が少ない。
・国土が広大で通院が困難な地域がある。
・遠隔医療のための通信や機材のテクノロジーが進化している。
・急性期を脱すると患者が病院から追い出されてしまう。
・医療費削減のため病院に頼る医療から在宅医療へシフトしている。
追い出すと言うと聞こえが悪いのですが、元々米国の病院では患者の容態が安定しない急性期治療に重点が置かれていて、回復期の治療は自宅で行うというのが普通です。
医療費の増大はどこの国も抱えている頭の痛い問題であり、各国で少しでも医療費を削るための努力がなされています。日本でも薬局で購入した医薬品を税金から控除するセルフメディケーション制度を導入するなど、少しでも病院に行かせない医療に移行しつつあります。
それに加えて、最近は新型コロナウイルスの流行によって他人との接触を避ける傾向にあり、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ患者の病院離れが進んでいます。
技術革新によって今まではできなかったような在宅医療も可能になってきており、病院から自宅へという流れが加速し、在宅医療機器の市場が拡大していくことが期待されます。
今回のコロナ騒動では病院・病床を減らすことのリスクが浮き彫りになりました。当然のことですが、病床数をしぼり過ぎると感染症などの急激な患者数の増加に対応できずに医療崩壊を招くことになります。医療費削減と危機対応のバランスをとるのが難しいところで、政府は難しい判断を迫られることになるでしょう。
しかし、すべての先進国政府は高齢化による医療コストの増大に苦しんでいます。コロナという短期的な波乱はありましたが、中長期的な流れとしては、アダプトヘルス社のような自宅療養を支える企業は追い風を受けると予想されます。
会社ウェブサイト
www.adapthealth.com
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