2020年7月24日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1071.38で終わりました。一週間前に比べて、15.32ポイントの下落(-1.40%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.76%)やSP500(前週末比-0.28%)に比べるとやや下落幅は大きくなっていますが、この1.5ヶ月、多少の上下はありますが、ほぼ同じ動きとなっています。
引き続き、「コロナ感染者急増」というマイナスの材料と、「経済活動のリカバリー+ワクチン開発の進展」というプラスの材料の綱引きです。今週は追加的材料として米中の緊張が高まり、やや下落しました。
<コロナのショックは再来するのか?>
米国の新規感染者の急増は続いています。治療薬の開発や治療法の改善により、死亡率は大幅に減少していますが、新規感染者の増加率が大きく、日次の死者数もやや増加に転じてきました。しかし一方で、ワクチン開発の進展も報道されており、全体としては、株式市場にはニュートラルな影響になっています。
新規感染者急増は6月20日ごろから始まり、既に1ケ月経過しています。現在の株式市場は「新規感染者急増トレンド」を既に織り込んでいる可能性があります。このため、マイナスのサプライズは日次死亡者数(現在1000人程度)が急増することになると思います。
一方で、プラスサプライズを起こすのは、新しい治療法の発見、ワクチンのさらなる開発進展、そして(本当にあるのかどうか不明ですが)集団免疫の兆し=目立った対策を打っていないのに、何故か新規感染者の増加スピードが鈍る、です。
引き続き下記のサイトのTotal Cases /1M popを注視して見ています。https://www.worldometers.info/coronavirus/country/us/
「集団免疫は起こるのか?」「やっぱり超楽観的過ぎるのか?」米国の新規感染者の増加カーブが変化するのかどうか、注目しています。
現時点のTotal Cases/1M pop は、12,835です。もし本当の感染者数が、累計患者数の10倍なら、感染率は12.835%、20倍なら25.67%、25倍なら32.088%となります。 現在のアメリカはどこにいるのでしょうか?
<米中の緊張>
ポンペオ国務長官が「中国共産党を明確に悪である」という発言をしました。ヒューストンの領事館も閉鎖しました。一段と緊張の度合いは高くなっています。
しかし、株式市場に大きな影響を与えるのは、「中国・香港の金融機関への制裁」が出た時です。逆に、それが出ないのであれば、米国市場への影響も限られたものになると思っています。
<米国の小型成長株の割安について>
7月24日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1071.38/3215.63=33.32%
26週移動平均との乖離は、+0.79%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、長期的に32%~38%のレンジで推移していました。
短期的には中立、長期的にはまだ小型成長株は割安、という感じです。
→ 2019年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2020年6月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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