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アメリカ成長株:イナリ・メディカル(Inari Medical):肺塞栓症等の治療で使用するカテーテル技術を開発

ヘルスケア・バイオ

アメリカ成長株:イナリ・メディカル(Inari Medical)の概要

イナリ・メディカル
Inari Medical Inc
ティッカーコード:NARI
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/NARI

深部静脈血栓症は、手足の付け根などの体の深い部分で血が固まって血栓ができる病気です。この血栓は肺動脈を閉塞させることになりますがこれは、静脈で生じた血栓が最初に到達する臓器が肺であり、その手前の肺動脈で血管が狭くなっているからです。

肺動脈が詰まってしまうと血液が肺に届かなくなり、息苦しさ、動悸、胸痛、失神などの症状を伴う“肺塞栓症”を引き起こします。重症の場合は血流が止まることによる肺細胞の壊死や心臓への過度の負担がかかることによるショック状態を招き、場合によっては死に至る場合もあります。

深部静脈血栓症と聞いてもピンと来ないかもしれませんが、長時間同じ姿勢を取ることで起こるいわゆる“エコノミークラス症候群”も深部静脈血栓症の一つであり、こちらの方が世間ではよく知られているかと思います。

深部静脈血栓症は、血液凝固能の上昇、血流の滞留、血管壁の障害によって引き起こされるもので、エコノミークラス症候群や寝たきり生活のような同じ姿勢を長時間続けることの他にも、先天性凝固異常、手術、出産、外傷による血管の傷や炎症、癌、経口避妊薬の使用などが原因となります。

血栓が小さいうちは抗凝固薬や血栓溶解薬による抗凝固療法を行いますが、重症の場合や薬物治療を開始した時すでに血栓で詰まってしまっている場合には外科的に血栓を取り除く必要があります。

イナリ・メディカル社は血栓を外科的に取り除くためのカテーテルの開発・製造・販売していて、“ClotTriever”は深部静脈血栓症、“FlowTriever”は肺塞栓症の治療に用いられます。

これらはカテーテルの先端からステントと呼ばれる金属の網を出して血栓をかき取る器具で、よく考えられた仕組みで動作する様子のイメージ映像が以下の動画で見ることができます(実際の手術映像ではありません)。

ClotTriever
https://www.youtube.com/watch?v=oSbwFWvBREA

FlowTriever
https://www.youtube.com/watch?v=kneUz3PrBLM

血栓が原因となる病気は数多くありますが、ここに来てにわかに注目を集めているのが現在世界で流行中の新型コロナウイルス感染症です。

新型コロナウイルスは“重症の肺炎”を引き起こすとされてきましたが、研究が進んでいくと、ウイルスの増殖による肺炎の症状よりも、免疫が過剰反応した結果生じる“血栓”が引き起こす肺塞栓症の方が深刻であることが分かってきました。

それに加えて、感染者に見られるその他の様々な症状も血栓症に酷似していることや血栓を生じやすい基礎疾患を持つ感染者が重症化しやすいことから推測すると、この感染症と戦う上で鍵となるのが“血栓”であることに間違いはなさそうです。

実際、新型コロナウイルスの犠牲者の多くは全身に広がった血栓が招く多臓器不全で命を落としていて、有効なワクチンが登場してウイルス自体を抑えられるようになるまでは、同社が持つような血栓除去技術が命を守る最後の手段として重要な役割を果たしていくことになるでしょう。

会社ウェブサイト
www.inarimedical.com

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