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アメリカ成長株:メディシンズ(Medicines):心臓疾患の原因となる動脈硬化を抑える、インクリシランを開発

アメリカ バイオ ヘルスケア・バイオ
アメリカ成長株 バイオ関連銘柄

アメリカ成長株:メディシンズ(Medicines)の概要

メディシンズ
Medicines Co
ティッカーコード:MDCO
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/MDCO

日本人の死因は、長寿社会であることもあって“ガン”がトップなのですが、アメリカ人の場合は“心臓疾患”であり、この原因となるのがアメリカ人の国民病とも言える“動脈硬化”です。

動脈硬化が進んでいる血管の壁にはLDL-Cという悪玉コレステロールが蓄積していて、これを減らすことが有効な治療法であることが分かっています。

人間の体はうまくできているもので、元々血管の表面には血液中のコレステロールをキャッチして取り込むことで、多すぎるコレステロールを減らすという機構が備わっています。この機構はPCSK9というタンパク質がブレーキをかけるようになっていて、これを潰してしまえばアクセル全開で悪玉コレステロールをどんどん血液中から除去していくことになります。

このブレーキをかけているタンパク質(PCSK9)を潰すためにはどうしたらよいかというと、従来の方法ではタンパク質自体をブロックしたり、除去したりするのが一般的でした。しかし同社が開発した「RNAi治療薬」であるインクリシランはタンパク質そのものではなく、それが作られる前に止めてしまうという、今までになかった画期的な薬剤です。

タンパク質はDNAに書かれている設計図を元に作れられますが、この設計図はRNAという分子にコピーされてタンパク質を作る場所に送られます。RNAi治療薬はこのRNAを壊すことができるので、設計図がなくなってしまったターゲットのタンパク質を作ることができなくなります。一度タンパク質ができてしまうと細胞のいろいろな場所に散って薬剤の届かない場所に隠れてしまったりするのですが、設計図の段階で潰してしまえば確実です。

この“RNAを壊す”という手法は、2006年のノーベル生理学医学賞の研究を元に開発されたものですが、今までは主に研究分野で活用されてきました。最近は臨床への応用も進んでいますが、オンパットロ、パチシランなどの他社が開発したRNAi治療薬の対象が患者数の少ない“難病”であるのに対して、同社のインクリシランは動脈硬化という誰にでも起こりうる疾患を対象にしています。

動脈硬化は米国や先進国における主な死因となっていて、2015年のデータでは世界で1500万人が亡くなっているのですが、これは先進国だけでなく途上国でも急増していてさらに拍車をかけています。

このように世界中で高い需要が期待されるインクリシランですが、その他のRNAi治療薬と同様に高価格であるという問題があり、このコストの問題を克服できれば途上国への供給の道も開けてより広い市場を獲得していくことも可能になるでしょう。

リンク
www.themedicinescompany.com

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