アメリカ成長企業

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アメリカ成長株:パパジョンズ(Papa John’s ):回復途上にある、米国で4番目に大きなピザ宅配チェーン

一般消費財

アメリカ成長株:パパジョンズ(Papa John’s )の概要

パパ・ジョンズ・インターナショナル
Papa John’s International, Inc.
ティッカーコード:PZZA
上場市場:NASDAQ

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/PZZA

コロナウィルスのため、世界中で自宅にこもる人、自宅で働く人が増えています。そのような「巣ごもり需要」の向かう先として、宅配関係の事業が人気になっています。コロナが収束すれば、短期的な需要は消えていきますが、長期的にも安定成長を続けている分野です。

アメリカでの宅配といえばピザです。アメリカには多くのピザの宅配チェーンがありますが、大手といえば「ドミノピザ」と「ピザハット」です。その2つの追うのが「リトル・シーザー」と「パパジョン」になります。
https://www.pizzatoday.com/pizzeria-rankings/2019-top-100-pizza-companies/

ドミノピザの売上は120億ドルです。株式の時価総額は約125億ドル(2020年3月20日現在)の大手企業になります。

ピザハットは、ヤム・ブランズ(Yum! Brands Inc)傘下の会社です。ヤム・ブランズには、ケンタッキー・フライドチキン、ピザハットそしてタコベルの3つのチェーンを持っています。総売り上げは500億ドルで超大手企業になります。

3番目の「リトル・シーザー(Little Caesar’s)」は、イリッチ・ファミリーがイリッチ・ホールディングス(Ilich Holdings)経由で保有している、非上場企業です。

そして4番目が今回紹介する、パパジョンズになります。英語の正式名称は、パパ・ジョンズ=Papa John’s です。「ジョンさんのピザ屋」という意味です。創業者である、ジョン・シュナッター氏(John Schnatter)の名前から来ています。このシュナッター氏は、いろいろとストーリーの多い人です。

まずは、その創業です。1984年に父親の経営するレストランの一角を借りてピザ屋を開始しました。創業資金には、当時彼が持っていたスポーツカー(2代目シボレー・カマロ1971年製)を1600ドルで売って調達したお金を使いました。その後、パパジョン事業は成功し、1993年にはIPOとなり、シュナッター氏は大金持ちになりました。2009年に、創業資金を作るために売ったシボレー・カマロを、25万ドルの懸賞金を付けて買戻しました。

ところが、2017年~2018年にかけて、シュナッター氏とパパジョンは厄介な事に巻き込まれます。「国歌斉唱時の抗議問題」です。

アメリカにおける圧倒的人気スポーツは、アメリカンフットボールです。プロとカレッジの試合があり、どちらも凄まじい人気があります。この人気が凄いから、夏のオリンピックは7月と8月にしかできないくらいです。(日本では大リーグのポストシーズンゲームが秋にあるから、という報道もされていますが、大リーグのテレビ視聴率の低さを考慮すると説得力がありません。また、そもそもオリンピックを放映するNBCは、大リーグの中継をしていません)

パパジョンは、プロフットボールリーグのNFLのスポンサーでした。しかし、2017年NFLのテレビ視聴率が下がるという「事件」が起こりました。視聴率下落の背景は「NFLの選手が、米国内にある人種差別等の社会問題に抗議するために、試合前の国歌斉唱時に起立せず、膝をついてアピールする」があったことです。

もともとこの抗議は「白人警官が黒人の容疑者に必要性の低い、猛烈な暴力をふるっている」等の社会問題に対して、「黒人のNFL選手」が抗議したことが始まりでした。このため、リベラル・有色人種層は「アメリカの社会問題があることを知らしめることは理解できる」という態度でした。

しかし、保守・白人層は「国旗・国家への冒涜は許せない」と批判し、さらにトランプ大統領が「抗議している選手はクビにしろ!」といったことで、この問題は国論を2分する大問題にヒートアップしました。そして保守・白人層から「もうNFLは見ない」というムーブメントが起こり、NFL中継の視聴率が大幅に下がったのです。

この視聴率下落に噛みついたのが、中継番組のスポンサーであったパパジョンズのジョン・シュナッター氏でした。「問題を放置するNFLはダメ。もうスポンサーを降りる」という決断をしました。

ここで「問題を放置しない」とは「抗議している選手を試合に出さないなど厳しくあたる」という事を意味するため、「パパジョンズは、選手の抗議に否定的→黒人選手に冷たい→人種差別的ではないか?」という批判が起こりました。さらに、こういった批判に対して、シュナッター氏が横柄な態度や、黒人差別的なコメントをしたため、「パパジョンズから大幅な客離れ」が起こったのです。2018年12月期は散々な決算で株価も大暴落しました。

この一連の問題があり、シュナッター氏は経営から去り、新しい社長を迎え、会社のCMキャラクターに黒人バスケットボール選手であったシャキール・オニール氏を使うことりなしました。2019年からは業績・株価も回復軌道に入っています。
(ちなみに、事の発端の「国歌斉唱時の抗議」も、その後NFLの試合からなくなっています。NFLの視聴率も米国スポーツ界で一人勝ち状態に戻っています。)

もともとピザ宅配は、安定成長している事業です。トラブル解決後の成長が期待されるパパジョンズは面白い会社であると思います。

会社ウェブサイト
https://ir.papajohns.com/investor-relations

 

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