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アメリカ成長株:タクタイル・システムズ・テクノロジー(Tactile Systems Technology): リンパ浮腫の症状緩和のための空気圧迫装置を製造・販売

ヘルスケア・バイオ

アメリカ成長株:タクタイル・システムズ・テクノロジー(Tactile Systems Technology)の概要

タクタイル・システムズ・テクノロジー
Tactile Systems Technology Inc
ティッカーコード:TCMD
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/TCMD

血液は全身の細胞に必要な物を運ぶ重要な役割を果たして、心臓によって常に全身に供給されています。心臓を出た血液は動脈を通って体の組織に運ばれた後、静脈を通って心臓に帰るという循環を繰り返していますが、帰りの血液が全て静脈に回収されるわけではなく、一部は組織に浸透してリンパ管という別の系統に回収されて静脈に戻されます。

このリンパ管に何らかの障害が起こると、浸透した成分(リンパ液)が回収しきれなくなって皮膚の下に溜まり、全身の様々な部位に痛みを伴うひどい“むくみ”が生じることになります。これは“リンパ浮腫”と呼ばれていて、できる場所によっては周辺の組織を圧迫することで深刻な臓器障害を引き起こします。

治療せずに放置していると感染症を引き起こし、むくんだ皮膚が乾燥して黒くなる、映画「エレファントマン」で有名な“象皮病”のような状態まで進行してしまうこともあって適切な処置が必要です。

そこで有効となるのが患部に対して均一に圧力をかけることでむくみを解消させる“圧迫療法”で、主に弾性着衣(きつめのストッキングのようなもの)や弾性包帯(ゲートル)が使われますが、その代替法として空気圧で患部を圧迫する“空気圧迫法”があります。

タクタイル・システムズ・テクノロジー社は”在宅治療用の空気圧迫装置”を製造・販売しています。「空気圧迫装置」は、血圧測定で腕を圧迫するベルトを大きくして患部全体を覆うようにしたようなもので、電子制御で空気圧をコントロールする大型のものから手動ポンプで加圧する小型のものまでのラインアップがあります。

弾性着衣や弾性包帯の欠点としては、均一に圧迫することが困難、装着が大変、ゴムが劣化する等があります。しかし、空気圧迫ではこのような問題が生じることはありません。

リンパ浮腫はガンの外科手術、放射線治療の後に発症するケースも多く、アメリカでは500万~1000万人が慢性の浮腫に苦しんでいますが、現在の所リンパ浮腫の治療法はありません。機能していないリンパ管をバイパスさせる手術もありますがリンパ管を再生するわけではないため、やはり圧迫・マッサージによる治療が欠かせません。

リンパ浮腫の根本治療はリンパ管の再生しかありませんが、iPS細胞を使うような高度な再生医療にたよるしか手がなく、実現は相当先の話になりそうです。このため、とても最先端の技術には見えない空気圧迫法ですが、根本的な治療が登場するまでの当面のつなぎとして重要であることに間違いはありません。

新型コロナウイスの感染拡大に伴って治療のための通院も危険な状況になっている現在、外出せずに自宅で使える治療器具のニーズが高まっていて、これはコロナ騒動以降同社の株価が上り調子にあることからも伺えます。

リンク
www.tactilemedical.com

 

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