2024年12月6日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1593.11で終わりました。一週間前に比べ-8.90(-0.56%)の反落となりました。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.60%)とSP500(前週末比+0.96%)と比べると、NYダウとは同程度、SP500 にはかなり負けた一週間でした。
トランプ当選以降のトランプトレードとは違う動きとなった一週間でした。トランプトレードで明確な恩恵を受けた小型成長株ですが、この一週間は以前あった「一部の大手ハイテクの買い」が再び起こり、SP500に置いて行かれた感じです。
しかし、金曜日に発表された雇用統計を見ると、「米国景気は、急いで利下げする必要がないぐらい底堅い」(かといってインフレは鈍化しており、金融緩和の方向は変わらず)、という、総合的に見て米国小型成長株に好都合な環境が維持されていることを示しています。
<トランプ政策と米国小型成長株>
「トランプ政策は米国小型成長株にとっては、全体としてはプラス」と思っています。
背景は
・需要サイドはプラス :
米国内での需要の成長は加速すると予想される。
・供給(調達)サイドは不明 :
輸入物価には上昇圧力がかかるものの、エネルギー価格低下が期待できる。
・金利要因も悪化懸念が減少 :
インフレ圧力+減税による財政悪化懸念というマイナス材料と、経済成長による税収増+政府の効率化による赤字削減期待というプラス材料、が混在する。
新財務長官はある程度財務規律を重視すると期待されるため、大幅な長期金利上昇にはならないのではないか?
という感じです。
さらに、米国小型成長株は長期的な視点で割安であるため、長期的にはプラスの影響が大きく反映すると期待しています。
ところで、長らく「米国小型成長株関連の投資信託のパフォーマンス」について、アップデートしてきませんでした。やっと、データが公平な条件で比較できるようになったので、近々再開しようと思っています。
世間で人気のオルカンは「負けない投資」だと思っています。小型成長株のポートフォリオは「勝てるかもしれない投資」です。「負けたくないのか」それとも「勝ちたいのか」の戦い、いろいろと考えたいと思っています。
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
トランプ氏が大統領となったことから、4つ全て、非常に大きな影響を受けます。
ウクライナについては、「停戦」への言及が明確に増えてきました。一方で、戦線の状況はロシアが占領地域獲得を加速しており、「停戦条件」に焦点が移っています。
中東ではシリア問題が新しい波乱のカードとなってきました。イスラエルにとっては、トランプ氏の当選に加え、好ましい環境が強まってきています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年12月6日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1593.11/6090.27=26.16%、
26週移動平均との乖離は+0.90%でした。
この3年間、小型成長株は相対的に「大負け」の状況です。
金利上昇、一部の大型IT・AI企業の上昇など、負け材料が連発でした。
現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあります。
トランプ政権によって、「超割安な小型成長株の、長期的な回復相場が始まる」と期待しています。
→ 2021年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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