2024年11月29日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1602.01で終わりました。一週間前に比べ+23.01(+1.46%)の続伸となりました。主要インデックスのNYダウ(前週末比+1.39%)とSP500(前週末比+1.06%)と比べても、やや堅調な動きでした。
引き続きトランプ政権による「景気拡大」期待が強いことに加え、スコット・ベッセント氏が財務長官候補として指名されたことで、「トランプ政権はある程度財務規律を意識する」という安心が広がり、米国長期金利が低下したこともプラスの材料となりました。
<トランプ政策と米国小型成長株>
「トランプ政策は米国小型成長株にとっては、全体としてはプラス」と思っています。
背景は
・需要サイドはプラス :
米国内での需要の成長は加速すると予想される。
・供給(調達)サイドは不明 :
輸入物価には上昇圧力がかかるものの、エネルギー価格低下が期待できる。
・金利要因は悪化懸念が減少 :
インフレ圧力+減税による財政悪化懸念というマイナス材料と、経済成長による税収増+政府の効率化による赤字削減期待というプラス材料、が混在する。新財務長官はある程度財務規律を重視すると期待されるため、大幅な長期金利上昇にはならないのではないか?
という感じです。
さらに、米国小型成長株は長期的な視点で割安であるため、長期的にはプラスの影響が大きく反映すると期待しています。
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
トランプ氏が大統領となったことから、4つ全て、非常に大きな影響を受けます。
ウクライナのゼレンスキー政権が初めて(NATOの早期加盟を条件に)「領土についての譲歩」に言及しました。トランプ政権は米国の石油増産も目指しており、ロシアの戦争継続能力を削ぐ方向にあります。ウクライナ・ロシア双方が、停戦に少しずつ向かう可能性が出てきました。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年11月29日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1602.01/6032.38=26.56%、
26週移動平均との乖離は+1.36%でした。
この3年間、小型成長株は相対的に「大負け」の状況です。
金利上昇、一部の大型IT・AI企業の上昇など、負け材料が連発でした。
現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあります。
トランプ政権によって、「超割安な小型成長株の、長期的な回復相場が始まる」と期待しています。
→ 2021年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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