2024年11月22日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1579.00で終わりました。一週間前に比べ+82.93(+5.54%)の大幅反発となりました。主要インデックスのNYダウ(前週末比+1.96%)とSP500(前週末比+1.68%)と比べても、明確に強い一週間でした。
一週間前とは逆に、トランプ政権の政策期待、実態景気の強さが評価された一週間でした。
11月22日に発表されたPMI(米国勾配担当者景気指数)は予想を上回り、米国景気の底堅さが確認されました。また、トランプ政権の閣僚候補も次々に発表され、政策期待も高まっています。
トランプ政策の「米国経済だけ良い思いをして、米国外のグローバル経済は懸念材料が高まる」という方向は、米国小型成長株にとって「相対的にベスト」な政策です。
米国小型成長株は、選挙前後のトランプラリーに似た、非常に強い相場となりました。
<トランプ政策と米国小型成長株>
「トランプ政策は米国小型成長株にとっては、全体としてはプラス」と思っています。
背景は
・需要サイドはプラス :
米国内での需要の成長は加速すると予想される。
・供給(調達)サイドは不明 :
輸入物価には上昇圧力がかかるものの、エネルギー価格低下が期待できる。
・金利要因は不明 :
インフレ圧力+減税による財政悪化懸念というマイナス材料と、経済成長による税収増+政府の効率化による赤字削減期待というプラス材料、が混在する。
という感じです。
さらに、米国小型成長株は長期的な視点で割安であるため、長期的にはプラスの影響が大きく反映すると期待しています。
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
トランプ政権では、4つ全て非常に大きな影響を受けます。
ウクライナについては、バイデン政権が長距離ミサイルの利用をウクライナに許可しましたが、その報復としてロシアが中距離弾道ミサイルをウクライナに打ち込みました。バイデン政権も末期となり、「トランプ政権が進めると予想される停戦交渉で、ウクライナが少しでも有利となる状況を生むための」手が打たれています。このバイデン政権の政策が「エスカレーション」を引き起こし、偶発的に大きなリスクイベントが発生しないか心配です。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年11月22日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1579.00/5969.34=26.45%、
26週移動平均との乖離は+1.30%でした。
この3年間、小型成長株は相対的に「大負け」の状況です。
金利上昇、一部の大型IT・AI企業の上昇など、負け材料が連発でした。
現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあります。
トランプ政権によって、「超割安な小型成長株の、長期的な回復相場が始まる」と期待しています。
→ 2021年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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