2024年11月1日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1444.64で終わりました。一週間前に比べ+4.76(+0.33%)の小幅反発となりました。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.15%)とSP500(前週末比-1.37%)に比べると、相対的にかなり強い動きでした。
米国経済については、雇用統計関係は弱め、消費者信頼感指数は強めと強弱の材料がでました。一方企業決算は、注目された大手IT関連銘柄は、「決算内容は予想より強かった。しかし、材料出尽くし」という感じで、株価はかなり下げました。結果的に、「大手IT銘柄のウェイトの高いSP500 が弱く、影響の少ない小型成長株が相対的に強い」、という一週間でした。
今週はいよいよアメリカ大統領選挙です。ハリス氏が勝利した場合には、これまでの政策が基本的に維持されます。しかし、トランプ氏が勝利した場合、これまでの政策が大きく変わるため、新しい動きがでてきます。特に通商関係、エネルギー関係(化石エネルギーVS再生エネルギー)、国境管理による労働市場への変化、ウクライナなどに大きな差がでます。
<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
FRBの金融政策は緩和の方向にあります。「景気も底堅さ」を示しています。
現在のような相場環境は、本来、小型成長株にとってプラスの環境です。
短期的には、個別銘柄、特に大手IT関連銘柄の動きで市場全体は振り回されるため、本来関係のない小型成長株も影響を受けます。
しかし、歴史的に主力インデックスに対して非常に割安である小型成長株は、全体水準のみならず相対的(対主力インデックス)にも堅調な動きになることを期待しています。
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
傾向は変わらず、悪化していますが、米国小型成長株に影響を与えるような材料にはなっていません。
<中東問題>
市場の注目は、イランの反撃の中身、です。
<ウクライナ>
日本のメディアを賑わしているのは「北朝鮮」ですが、実際に問題なのは「ドンバス戦線(特に南部戦線)でのウクライナ軍の崩壊懸念」と「ウクライナの動員能力の欠陥」です。米国大統領選挙の結果からも大きな影響を受けます。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年11月1日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1444.64/5728.80=25.22%、
26週移動平均との乖離は+0.15%でした。
この3年間、小型成長株は相対的に「大負け」の状況です。
金利上昇、一部の大型IT・AI企業の上昇など、負け材料が連発でした。
現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあります。
FRBの金融政策も緩和方向にあり、今後、極端に景気が悪化しない限り、小型成長株は「これまでの負けを取り返す」本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。
(外部材料のこれ以上の悪化がなければ、という条件付ですが。)
→ 2021年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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