2024年10月25日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1439.88で終わりました。一週間前に比べ-40.20(-2.72%)の大幅下落となりました。主要インデックスのNYダウ(前週末比-2.68%)とSP500(前週末比-0.96%)に比べると、ダウとは同水準、SP500に比べるとかなり弱い動きでした。
米国経済の底堅さによって、利下げペースが穏やかになるという見方を生み、長期金利がかなり上昇しました。このことが、「金利高」というマイナスが大きくでたインデックスと、「底堅い景気」というプラスが大きくではインデックスで、パフォーマンスに差が付きました。
ダウと小型成長株はマイナスの影響を大きく受け、SP500は特に大手ハイテク銘柄が景気底堅いという見方の影響を受けたことから、「相対的に軽傷」でした。
<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
FRBの金融政策は利下げ方向にあります。「景気も底堅さ」を示しています。
今週は、長期金利上昇のマイナス影響を受けましたが、現在のような相場環境は、本来、小型成長株にとってプラスの環境です。
歴史的に主力インデックスに対して非常に割安である小型成長株は、全体水準のみならず相対的(対主力インデックス)にも堅調な動きになることを期待しています。
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
今週は、取引時間の間は大きなマイナスは出ませんでしたが、週末にイスラエルがイランを報復攻撃しました。
<中東問題>
予想通り、イスラエルはイランに報復攻撃を行いました。「イスラエルによれば」攻撃対象は「ミサイル製造装置などの軍事目的」となっています。
心配された、石油関連施設や核関連施設ではなかったことから、「ひとまずは安心」です。
次は、「イランの報復」の番です。
このあたりで、お互い鉾を収めるのか?それとも、もう一ラウンド行くのか?
<ウクライナ>
戦線の状況は、一段とウクライナ不利が進んでいます。またBRICS会議も無事に終わりました。G7が凍結したロシアのオフショア資産を担保に、ウクライナへの融資合意をしましたが、大勢は変わりません。
前回のコメントで書きましたが、「このままのコースで行けば、将来のどこかでウクライナが絶対絶命になり、その時に西側は本当にどうするのか?」が問われます。その時、大きな影響が世界経済・株式市場に発生します。(それまでは、もはやウクライナのマイナストレンドが織り込まれており、大きな金融市場は無視し続けますが)
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年10月25日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1439.88/5808.12=24.79%、
26週移動平均との乖離は-0.29%でした。
この3年間、小型成長株は相対的に「大負け」の状況です。
金利上昇、一部の大型IT・AI企業の上昇など、負け材料が連発でした。
現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあります。
FRBによる利下げも実行され、今後、極端に景気が悪化しない限り、小型成長株は「これまでの負けを取り返す」本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。
(外部材料のこれ以上の悪化がなければ、という条件付ですが。)
→ 2021年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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