2024年10月11日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1458.15で終わりました。一週間前に比べ+16.47(+1.14%)の反発となりました。主要インデックスのNYダウ(前週末比+1.21%)とSP500(前週末比+1.11%)と同程度の動きでした。
週の前半は材料難で小動きでしたが、金曜日には銀行の好決算を背景に景気の底堅さへの期待間が高まり、やや堅調な一週間となりました。
<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
FRBの金融政策は利下げが実行されました。今後、焦点は「景気の底堅さ」です。
今後、利下げ効果の期待感もあり、極端な景気減速を示す経済指標が出ない限り、株式市場は堅調と思います。
特に、歴史的に主力インデックスに対して非常に割安である小型成長株は、全体水準のみならず相対的(対主力インデックス)にも堅調な動きになることを期待しています。
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
今週も相変わらず何も好転しておりませんが、極端な悪化がイベントもなく、米国小型成長株には影響を与えませんでした。
<中東問題>
イランからの攻撃に対するイスラエルの反撃の「中身」が注目されます。
<ウクライナ>
ウクライナが期待したラムシュタイン会議が、バイデン大統領の欠席(ハリケーンミルトンの影響)により延期されました。ウクライナ支援への明確なグレードアップがなく、ゼレンスキー大統領の主張するビクトリープランも前に進みませんでした。一方で、クルスク方面はロシアの反撃が進み、ドンバス戦線は一段と厳しくなっています。
このコメントでは何度か書いていますが、すでにウクライナがロシア軍を排除することは難しい事は、米国株式市場は織り込んでいます。さらに、欧米(特に米国)の「ウクライナが負けるのは困る、しかし、ロシアを追い詰めるのはもっと困る」という姿勢が続いている間は、米国株式市場にとって「大きな問題」にもならなくなってきました。
問題は、ウクライナが絶対絶命になった時です。この時、ウクライナを見捨てるのか?(こちらの可能性が高い)それともウクライナのためにNATOが立ち上がるのか?(限りなく低い確率)によって、世界の株式市場に大きな影響が及びます。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年10月11日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1458.15/5815.03=25.08%、
26週移動平均との乖離は-0.02%でした。
この3年間、小型成長株は相対的に「大負け」の状況です。
金利上昇、一部の大型IT・AI企業の上昇など、負け材料が連発でした。
現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあります。
FRBによる利下げも実行され、今後、極端に景気が悪化しない限り、小型成長株は「これまでの負けを取り返す」本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。
(外部材料のこれ以上の悪化がなければ、という条件付ですが。)
→ 2021年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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