アメリカ成長企業

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アメリカ成長株市場の動き-2024-08-09

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アメリカ成長株

2024年8月9日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1342.41で終わりました。一週間前に比べ-8.39(-0.62%)の小幅続落でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.60%)とSP500は(前週末比-0.04%)となり、ともに小型成長株と同程度の下落率となっています。

米国の景気はハードランディングするのか?それともソフトランディングにとどまるのか?一週間前から、米国景気の強弱についての市場の疑念が続いています。

8月8日に発表された新規失業保険申請件数が予想より少なく、「景気はさほど弱くないのでは?」という感じとなり、一週間前のような急落となっていません。しかし、市場のハードランディングへの疑心暗鬼はまだ続いています。

米国小型成長株の対大型株の比率は、この20年間で最も割安な水準を継続しています。(下記のラッセル2000グロース÷SP500も参照ください)

<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
この数か月、このコメントでは「米国景気のソフトランディング」を前提に、「米国の小型成長株にはポジティブな環境、さらに主力株に対して歴史的割安感」と考えてきました。

しかし、ここにきて「ソフトランディング」への懸念が株式市場に出てきました。
しかしながら、米国小型成長株が「相対的に異常な割安である」という点は変更がありません。
但し、景気が本当にハードランディングとなった場合、小型成長株は「少数の勝者、多数の敗者」が生まれ「インデックス全体は冴えない動き」となる傾向があります。
インデックスファンドに対して、アクティブ運用のファンドの「運用の優劣」が明確になる局面でもあります。

<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
今週は、かなりイベントが起こりました。

<ウクライナ戦線>
突如、ウクライナがロシア南部(クルクス地域)に攻め込みました。

当初は、「1000人程度の刹那的な攻撃」という評価でしたが、徐々に実情が分かってきました。かなり入念に準備されていた攻撃であり、投下された兵員も数千人~1万人程度、使用された兵器も、充実しており、「オールイン」という感じの攻撃です。

一気に100平方キロという広範囲な面積を占拠したため、ウクライナサイドの戦意も急上昇しています。久しぶりに「ウクライナにとってプラスのニュース」です。ロシアのメンツをつぶし、対ロシアの交渉力の改善にもつながると期待されています。

しかしながら、私が注視しているミルブロガーやユーチューバーは、かなり辛口の反応です。
1945年の「春の目覚め作戦」に例えるなど、「むしろウクライナの敗戦を早めるのでは?」との意見の方が多数派です。

今後数週間が非常に重要になります。
ウクライナが期待するように、現在の占拠地域を維持できれば、戦争の局面が大きく変わります。
逆に、ミルブロガーが指摘するように、占拠地域の維持に失敗した場合、停戦協議への流れが加速されます。
また、既にウクライナの攻撃により、欧州の天然ガス価格が上昇するという「相場に直結する材料」も提供しています。

<中東問題>
イスラエルによるハマス最高幹部殺害に対して、ヒズボラ・イランの報復によって一気に戦火が中東全体に広がるかどうかの瀬戸際にあります。

<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年8月9日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1342.41/5344.16=25.12%、
26週移動平均との乖離は-0.30%でした。

2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。その後も一貫して下落していましたが、「FRBの利上げ局面終了」により、2022年5月からやや持ち直しました。

しかし、昨年後半から、大型株は一部のIT銘柄に引っ張られる形で非常に堅調であるのに対して、小型成長株の上昇率は「利下げが明確にならない」ため上昇速度が「相対的に少ない」状況です。(実際には、小型成長株の決算も悪くないのですが、市場は正当に評価していません)

現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあると考えており、小型成長株の本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。
(外部材料のこれ以上の悪化がなければ、という条件付ですが。)

→ 2020年9月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)

(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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