2024年5月31日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1340.08で終わりました。一週間前に比べ-4.79(-0.36%)の続落でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.98%)とSP500(前週末比-0.51%)より、やや下落率が小さくなっています。
景気の強さ、インフレの落ち着きを見ながら、FRBの金融政策について探る相場が続いています。今週は、30日発表のGDP改定値は予想よりやや弱く、31日発表の個人消費は予想通り、でした。明確なトレンドがなく、株式市場は横這いからやや弱い動きでした。
<米国小型成長株の出遅れ、割安さ>
最近発表されている経済資料はまちまちです。しかし傾向としては
・景気は底堅い
・インフレの低下は予想よりスピードが遅い。しかしインフレが加速しているわけではない
・このため利下げのタイミングは先に延びてきた。しかし、利上げ局面は終わっている。
このような環境は、米国小型成長株にとっては、決して悪い環境ではありません。
利下げタイミングが先になったとしても、一時のような大幅なインフレが来ているわけではありません。景気が堅調だからインフレの低下が鈍っているだけです。全体としてはプラスの環境です。
また、金利もタイミングはともかく低下トレンドであり、さらに利上げ環境にはなりそうにありません。
外部材料が落ち着けば、小型成長株にとって良好な環境となります。時間をかけて堅調な市場が続くと思っています。
(下記のラッセル2000グロース÷SP500も参照ください)
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
今週は大きな動きはありませんでした。
好転はしていませんが、大きなイベントは無かったという意味です。
中東では、停戦についての外交努力がなされていますが、「ハマス壊滅を戦争目的とするイスラエルは、短期的な停戦以外は受け入れない」「ハマスは短期的な停戦では、人質を渡せない」という根本的な問題あるため、国際的な批判をあびつつイスラエルが戦争目的を追求する動きが続くと思っています。このため、どこかで大きな軍事的・政治的暴発が起こるリスクが日々高まっています。
ウクライナの戦線は、先週のこのコメントで書きましたが、「ウクライナはハルキウ戦線で短期的にロシア軍を押し返さないと、非常に厳しい動きになる」可能性が高いです。
(私が中立的であると思っているブロガーやユーチューバー達の意見)
日々、ウクライナは追い詰められています。
6月3日の週は、欧州議会選挙が始まります。(6月6日~9日)
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年5月31日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1340.08/5277.51=25.39%、
26週移動平均との乖離は-0.48%でした。
2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から27%~28%程度で「底値での横這い」という感じでしたが、2023年9月にはいり、さらにこのレンジを下に突き抜け、ついに2023年11月上旬には25%割れまで下落しました。FRBの利下げ期待が出てきたことから下げ止まっていますが、まだまだ異常に低い水準にあります。
小型成長株の本格的・長期的なリカバリー相場を期待しています。
(外部材料の悪化が続いています。心配しています。)
→ 2020年9月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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