2023年5月19日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1153.73で終わりました。一週間前に比べ+20.93(+1.85%)の反発でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+0.38%)やSP500(前週末比+1.65%)よりやや大きな上昇でした。
週の半ばには懸念材料である米国連邦政府の債務上限問題が、解決に向かうとの期待が高まり、株式市場は全体に堅調でした。しかし、バイデン大統領と共和党首脳とのミーティングが不調に終わり、週末にかけて再びこの問題の解決は難しいとの見方が出てきました。週明けには厳しい動きになる可能性があります。
まだしばらく、不安定な動きが続くと予想されます。
<バフムト陥落>
結局先週のバフムトでのウクライナ軍の反攻は、バフムト市内で追い詰められたウクライナ軍の撤退ルートを確保するのがせいぜい、という感じでした。
ロシアのウクライナ侵攻については、
「西側メディア(西側政府、日本のメディア)の提供する情報・意見」と
「(結果的に中立的だったなあ、と思われる)いくつかのユーチューバーの情報・意見」
に大きな乖離があると書いてきました。
今回の、ゼレンスキー大統領の海外外交ツアー(欧州→中東→東京のG7)、バフムトの陥落、この2つについても、かなり大きな乖離があります。
西側の情報・意見は
「G7から支援継続+強化(F16)の約束を獲得でき、インドなどの中立的な国々ともコミュニケーションが取れた。バフムトは陥落したが、ロシアを長期間戦闘に引きずり込むことで、ロシアを消耗させることに成功した。ワグネルとロシア軍の仲も非常に悪い。いよいよ大規模反転攻勢の準備は整った。」
しかし、ユーチューバーの意見をまとめると
「そもそもバフムトにこだわったのはゼレンスキー大統領。(ロシアではない)
明確に劣勢であるバフムトに、逐次的に戦力を投下し、撤退路確保のコストも加わり、ウクライナ軍のダメージは非常に大きい。
ゼレンスキー大統領自身が、これまで内外メディアに、幾度となくバフムトの死活的重要さを訴えてきたため、バフムト陥落の心理的ダメージも非常に大きい。
長期の海外外交ツアーの目的は、ダメージコントロール。G7等からの「お土産」をウクライナ国民に見せることで、意気消沈を防ぐことが目的ではないのか?
ただし、バフムト陥落時に、政治トップ(ゼレンスキー大統領)がキーウを不在にし、さらに軍のトップ(ザルジニー総司令官)の消息不明の噂(デマ?)もある。
ウクライナ国民の戦意を維持するためには、大規模反転攻勢をあまり先に延ばせない。
ゼレンスキー大統領の帰国後、数日の動きを注視している。本当に、大規模反転攻勢ができるのか?」
G7の結果が、本当に吉につながるのか?注視しています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年5月19日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1153.73/4191.98=27.52%
26週移動平均との乖離は-0.97%でした。
シリコンバレー銀行の破たん以来、「比較的財務状況の健全な大型株を買い、財務力が?の小型株を売る」という流れが継続しており、比率は下落トレンドをたどっています。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。2022年7月から反発トレンドでしたが、SVB破綻以後に再び安値近辺まで下落しています。
市場環境は引き続き厳しいですが、長期的な視点で見れば、小型成長株は歴史的な買い場となっています。
→ 2020年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年4月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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