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アメリカ成長株:ティージー・セラピューティクス(TG Therapeutics):B細胞を標的とした抗体薬を開発

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アメリカ成長株:ティージー・セラピューティクス(TG Therapeutics)の概要

ティージー・セラピューティクス
TG Therapeutics Inc
ティッカーコード:TGTX
上場市場:NASDAQ Global Market

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/TGTX/annual

人体に外部から異物が侵入してくると、多くの免疫細胞が関わる免疫システムが働いて排除します。この免疫応答には初期段階に働く自然免疫と、体内に入ってきた段階で働く獲得免疫があります。

自然免疫ではナチュラルキラー細胞、マクロファージ、好中球が働き、獲得免疫ではB細胞、T細胞が主に働きます。
中でもB細胞は獲得免疫において侵入してきた異物に結合できる抗体を産生する重要な役割を持っています。

B細胞に何らかの異常が起きて暴走すると、自己と異物の見境がつかなくなり自身の細胞や器官を攻撃する自己免疫疾患につながります。
またB細胞がガン化して無秩序な増殖をするとリンパ腫や白血病などの命に関わる病気を引き起こします。
今回紹介するティージー・セラピューティクス社は様々な病気の原因となるB細胞を標的とした抗体薬を開発しています。

抗体薬は標的の物質だけに結合する抗体を利用するもので、マウスやウサギなどの動物に接種して作ります。
同社が開発した抗体薬のウブリツキシマブはCD20というB細胞の表面にあるタンパク質に結合し、免疫細胞を呼んで排除させます。

ウブリツキシマブは多発性硬化症の抗体治療薬としてすでにFDAに承認されBRIUMVIという商品名で発売されています。
多発性硬化症はB細胞の暴走によって脳や脊髄の神経細胞に対する抗体が作られてしまう自己免疫疾患の一種です。
ウブリツキシマブはB細胞の増殖を抑え破壊することで多発性硬化症の進行を止めることができます。

またウブリツキシマブはガン化したB細胞も標的にできるので、リンパ性白血病の治療にも用いられています。
これは、抗体薬であるウブリツキシマブとB細胞の活性化と増殖を抑えるウムブラリシブ(B細胞抑制剤)と併用するものですが、FDA承認済みで米国では医療現場で使われています。

CD20に対する抗体薬とB細胞抑制剤の組み合わせの併用療法として、Roche社のガザイバ(抗体薬)+クロラムブシル(B細胞抑制剤)がありますが、これよりも同社の併用療法の方が優れた治療効果があることが示されています。

現在同社はB細胞をターゲットとした新しい抗体薬(TG-1801)とB細胞抑制剤(TG-1701)を開発していて、どちらも第一相の臨床段階にあります。
同じ目標で様々な抗体薬・B細胞抑制剤が他社でも開発されていますが、作用の仕方がそれぞれ違っていて病気の種類・患者の状態や単剤使用・併用療法によって効き方が異なります。

多くの病気にかかわるB細胞は非常に魅力的なターゲットであるため開発競争も激しくなっていて、こうした中からより優れた治療法が登場することを期待したいと思います。

会社ウェブサイト
www.tgtherapeutics.com

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