2022年3月18日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1315.67で終わりました。一週間前に比べ93.82ポイントの急反発(+7.68%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+5.50%)やSP500(前週末比+6.16%)も上回る上昇となりました。
ウクライナ侵攻は戦局が停滞しており、今週は大きな材料になりませんでした。一方で、米国の利上げが予想通りであったことで、安心感が広がり買戻しが進みました。久振りに、本格的な上げという感じでした。
<ウクライナ情勢について>
ウクライナの反撃により、この一週間戦線はほとんど動いていません。一方で、ゼレンスキー大統領が各国の議会においてビデオ演説をしましたが、一番欲しい「ノーフライゾーンの設定」には至っていません。時間の経過とともに、ウクライナのシリア化が進みそうな気配です。
ロシアへの経済制裁ですが、欧米(及び日本)は範囲を拡大するなど、一段と厳しくしています。米国は軍事・人道サポートを増額しました。
しかし、中国はロシア非難を避け、インドはロシアからの石油輸入を継続することを明確にしました。ロシアからの石油・天然ガス輸入を絞りたい欧米諸国が、サウジアラビアやUAEにコンタクトしましたが、これまでさんざん「人権」を訴えて厳しく当たってきたことが裏目にでて、「色よい返事」はもらえなかったようです。
さらに、南アフリカの大統領は、NATOの東方拡大に否定的なコメントまで出しました。
インド、中国、中東の産油国、南アフリカ・・・等の態度を見ると、ロシアは欧米からの経済制裁によりダメージがあるものの、何とか生き抜けそうな可能性すらでてきました。
ロシアからの石油・天然ガスが欧米以外の「親ロシア諸国」に流れ、一方で中東の産油国は増産に否定的で原油・天然ガス価格は高止まりする。「割安なロシア産」は一段と売りやすくなる。正直言って、あまり良い流れではありません。
一方で、第三次世界大戦のリスクが高まるため、NATOは直接軍事介入できません。結局はウクライナへの兵器配布だけとなります。それも飛行機ではなく「対戦車・対空兵器」や「小銃」が中心です。こうなると戦争は長期化し、ウクライナの破壊は進みます。中東からの傭兵の投入のニュースもあり、ウクライナの状況はシリア内戦のように泥沼化する可能性が一段と高くなってきました。憂鬱です。
ウクライナ国民には非常に申し訳ないのですが、この状況は株式市場にはニュートラルです。原油価格は高止まりしても、ロシア産が市場に出回ることで急騰はしなくなります。ロシア発の金融不安のリスクも低下します。ウクライナ侵攻があるため、インフレ圧力が高くてもFRBのタカ派の攻勢は鈍ります。そうなると、今週見られたように、これまでの急落の反動で「緩慢な買戻し」が起こります。
<小型成長株投資のボトムフィッシング>
2月中旬から行っている小型成長株のボトムフィッシング。「現在、米国小型成長株は相対的にも絶対的にも安い。投資の方法としては、グレートスモールを毎日少しずつ購入し、日中の振れはシルバーゲートキャピタルでトレーディングする」を続けてきました。
今週は水曜日~金曜日に強い相場となったことで、かなり利益が乗ってきました。
一方で、シルバーゲートキャピタルのボラティリティが低下してきました。100ドル~130ドルで大きく上下していた株価が、今週は安定上昇となり「相場の感じ」が変わってきました。一旦、ボトムフィッシュは終了で、相場の動きを見たいと思います。
このコメントでの紹介も終わりにしたいと思います。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2022年3月18日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1315.67/4463.12=29.48%
26週移動平均との乖離は-2.00%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しましたが、再びこの歴史的なレンジに戻っていました。しかし、ここにきてこのレンジの下を抜けました。
現在の水準は、2020年のコロナの最悪期をも超える、歴史的な割安水準になっています。相対的には歴史的な買い場となっており、非常に魅力的な投資機会を提供していると思っています。
→ 2019年10月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2022年2月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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