2021年12月3日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1437.69で終わりました。一週間前に比べて、71.29ポイントの大幅続落(-4.72%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.91%)やSP500(前週末比-1.24%)と比べても、非常に大きな下落となっており、再び小型成長株は非常に厳しい相場となりました。今年の取引レンジを下に抜けており、小型成長株は大きな相場の分岐点を迎えました。
新たな変異株であるオミクロン株によるコロナ感染の拡がりという売り材料に加え、FRBのテーパリングが加速するとの観測もあり、業績・金利両面の売り材料が出ました。市場下落時には、小型株が一番弱く、2020年の春と同じような状況となっています。しばらくは厳しい相場が続くこととなります。
オミクロン株については、最初の発見からもうすぐ2週間となります。発症してからの経過データがたまれば、どの程度危険なのかも分かってきます。2020年前半のようなコロナ相場になるのか、それともワクチン開発後の相場に戻るのか、今週が分岐点となります。
一方金利の方は、オミクロン株が破壊的なら、テーパリングの過程は減速するため、金融緩和的な環境となり、金利敏感株には助けになります。しかし、オミクロン株が破壊的ではないなら(=ワクチンで重症化率も死亡率もかなり改善できる)、テーパリングの加速が継続し、金利敏感株には非常に厳しい環境となります。
この2週間の急落への反発局面となれば、小型成長株の売られ過ぎの反動が期待できると思います。昨年の5月以降の急反発局面では、小型成長株は主要株式インデックスに大幅なアウトパフォームをしており、その再現を期待しています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2021年12月3日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1437.69/4538.43=31.68%
26週移動平均との乖離は-2.91%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しましたが、再びこの歴史的なレンジに戻っています。
現在の水準は、この32%~38%のレンジの下限にあり、かなり割安な水準にあると思っています。
→ 2019年6月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2021年10月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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