2021年4月30日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1557.95で終わりました。一週間前に比べて、8.11ポイントの小幅下落(-0.52%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.50%)やSP500(前週末比+0.02%)も横ばい・小幅下落となっており、小型成長株はほぼ市場全体と同じ動きでした。
<コロナ後のFRB>
ついにディズニーランドが再開しました。NFLのドラフトも「観客を入れて」行われました。(ちなみにNFLのドラフトは日本では全く関心を寄せられていませんが、米国では一週間前に行われたアカデミー賞の視聴数を上回る、非常に大きなイベントです。またここ数年の野球のワールドシリーズの視聴者数に匹敵します。)
さらにデブラシオ・ニューヨーク市長が、「7月からニューヨーク市の経済活動を全面再開する」と発表しました。完全にコロナ後が現実の物となってきた印象を受けます。
こうなると、次の焦点は、FRBの金融政策の行方です。先週はバイデン大統領の施政方針演説も行われましたが、「中間層の救済のために一段の財政出動を行い、その財源は富裕層が払う」ことを明確に打ち出しました。議会での民主党の優位は非常にわずかなため、この「案」がどの程度形を保ったまま実現するかは、不明です。
しかし、「コロナを克服した後の、これまでのうっ憤を晴らす消費が出やすい環境下」で、「さらに思い切った財政出動」をすることになります。既に一部のエコノミストが「不必要」「やり過ぎ」という懸念を出しています。当然ながら金融市場にも影響がでます。一番はFRBの金融政策への影響です。
もちろん「まだしばらくは緩和を維持する」と発表し続けると思いますが、将来を読みにいく金融市場では「長期金利の上振れ」が頻発するリスクがあります。一方で、経済は絶好調になるため、企業業績は確実に改善します。
株価は
=将来の利益の合計÷そのリスクに応じた割引率
=将来の利益の合計÷(リスクフリーレート+その銘柄のリスクを反映したリスクプレミアム)
で導かれます。
分子である「将来の利益の合計」と分母の「割引率」との綱引きにおいて、分子と分母がともに増加します。しかし、会社によってそれぞれの分子・分母の動きは、かなり異なります。
「金融緩和で膨らんだ高いバリュエーションの株」と「本当に利益が出せる、あるいは本当に将来利益の高成長が期待できる株」との選別が強烈にでる市場がやってきます。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2021年4月30日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1557.95/4181.17=37.26%
26週移動平均との乖離は-1.88%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。しかし、2020年12月中旬にこのレンジを上に離れました。7年間の持ち合いが終わり、今後数年にわたる長期的な小型成長株相場が続くと思っています。
2021年2月上旬には、43%まで急上昇しましたが、その後3月に急落しています。そして、4月に入り37%台で落ち着いています。
短期的には「小型成長株は主要インデックスに対して非常に割安な状況」が継続しています。今後、コロナ後の景気回復を背景に業績相場が本格化するため、小型成長株の買い場になっていると思っています。
→ 2019年4月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2021年3月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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