2021年4月16日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1552.84で終わりました。一週間前に比べて、12.07ポイントの反発(+0.78%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+1.18%)やSP500(前週末比+1.37%)よりはやや劣るものの、ほぼ同程度の上昇でした。小型成長株は2020年後半~2021年1月に主要インデックスに大幅アウトパフォームしておりその反動が続いていますが、相場のボラティリティはかなり低下しており、少しずつ業績相場への足場が固まってきた感じです。
<アメリカの一人勝ち?>
現時点においてワクチン接種でコロナを抑え込めた国は、アメリカ、イギリス、イスラエルの3か国となっています。ワクチン自体への評価では、アメリカ製の評価が高いようです。アストラゼネカの場合、血栓の問題がくすぶっています。
もちろんアメリカ国内でもミシガン州など新規感染者が急増している場所はあるのですが、既にテキサスやフロリダ等は、「コロナ前では?」と見間違うようなシーンが散見されます。個人消費の回復も顕著となってきています。
もう一つの極である中国は、「厳格なロックダウン+中国製ワクチン」でコロナを克服しました。しかし、中国製ワクチンを使ったチリが新規感染者の爆発で再びロックダウンに追い込まれたニュースを見れば、ワクチンの性能に対する懸念があります。アメリカとは異なり、「海外との人の往来についての規制を緩めると、コロナが再爆発するリスク」があります。
日本の場合は、国産ワクチンもできず、ロックダウンもできず、「ファクターX頼りで、何故か人口当たりの感染者・死者が少なく、何とかやっている」という状態です。
まだコロナ問題は完全に終了というわけではありませんが、今回のコロナに対する対応力、解決力という視点で、日、米、英、英国以外の欧州、中国、その他途上国など見ると、総合的にアメリカの優位が一段と際立ったと思います。アメリカの場合は、「トップが失敗すれば首にして(トランプ氏の落選)、新しい指導者に思い切って新しい事をやらせる」という政治的柔軟性も示しました。
このサイトは、「本当の成長株はアメリカにしかないのでは?」という視点から始めました。今回のコロナは「アメリカの底力を示し、その中で成長できるアメリカ成長株の優位性を再び認識させた」良い機会だったと思っています。多くの小型成長株が、新たな環境に対応し、成長をしました。やはり全体が成長できないと、個別銘柄がいくら頑張っても勝ちにくいものです。マクロ+ミクロ、この両者があって企業は成長します。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2021年4月16日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1552.84/4185.47=37.10%
26週移動平均との乖離は-1.83%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。しかし、2020年12月中旬にこのレンジを上に離れました。7年間の持ち合いが終わり、今後数年にわたる長期的な小型成長株相場が続くと思っています。
2021年1月以降、38%を大きく上回る水準でしたが、3月に急落しました。この4週間ほど小型成長株は短期的に「主要インデックスに対して非常に割安な状況」が継続しています。今後、コロナ後の景気回復を背景に業績相場が本格化するため、小型成長株の買い場になっていると思っています。
→ 2019年4月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2021年3月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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